空港に愛称が必要なのか

知っておいても損しない雑学
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こんにちは、じゅの(@platinum_2015)です。

羽田空港から飛行機に乗って、岡山空港に着陸。

機内アナウンスで「岡山桃太郎空港に着陸しました」と案内されるではありませんか。

ものすごい違和感です。


愛称付けなくても、岡山空港のままでいいんじゃないかと思います。


このような愛称を付けている空港は岡山空港だけはなく、全国各地で見られます。

岡山空港を「岡山桃太郎空港」と呼ばせる意味が解りませんが、何かしら理由があるのでしょう。

ということで、今回は岡山空港をヘンテコリンな愛称にしてしまった理由を探りながら「空港に愛称をつける必要があるのか」を考えてみたいと思います。

空港に愛称をつける理由は?

空港の名前ってだいたい都道府県の名前とか地域の名前を付けてありますよね。

岡山県の空港は「岡山空港」だし、香川県の空港は「高松空港」です。


皆さんの地元空港も、基本的には都道府県名か県庁所在地の名前が付いていますよね。

中には沖縄の空港みたいに島の名前が付いているローカル色あふれる空港もありますね。

空港の名前を見れば、だいたいどこにあるかわかります。


でも最近は日本地図を正しく覚えていない人が多いためか、「空港名だけでは所在地や所在地の風土を知ってもらえない」と感じる人たちもいるようです。


地方空港の変な愛称は覚えてもらうため

以前東京の人に岡山県の位置を「広島よりも西ですよね?岡山って九州ですか?」と言われたことがあります。


さらに、東京の人に「島根って岡山の上??」って尋ねられたこともあります。

さらにさらに、東京の人に「岡山って四国??」って言われたこともあります。


心の中で「おかしかろーが!」と思いましたが、丁寧に教えてあげました。


神戸とか兵庫はわかりますか?

兵庫県はわかります!大阪の隣ですよね!

岡山県は兵庫県の西にありますよ!

え!そうなんですか!!

知りませんでした!


こんなやり取りは悲しいもんです。

しかし、地方都市なんて普段は眼中にありません。

都会の人に広く知ってもらいたいと考える地方都市は「少しでも注目を集めたい」と、さまざまな対策を行っています。


ゆるキャラとか、アンテナショップとか、そしてヘンテコリンな空港の名前とか。


空港の名前に愛称をつけるとインパクトが生まれます。

単純に「岡山空港」というよりも、「岡山桃太郎空港」と言ったほうが「岡山=桃」みたいなイメージもしやすいし、耳に残ります。


「桃太郎しかないんか」という思いも否定できませんが、一応岡山県は桃太郎伝説の舞台ですし、桃が特産品ですから「桃太郎」は妥当なネーミングとされたのでしょう。

ちなみに、私のお友達(岡山県民)は「岡山ぼっけぇきょうてぇ空港」という愛称を強く主張していましたが、採用されませんでした。


空港の愛称は成功しているのか

地方都市の涙ぐましい努力は認めますが、空港に変な愛称を付けて成功している例は大して多くないのが現状です。


例えば、地元岡山の「岡山桃太郎空港」はサプライズなしです。

やっぱり桃太郎しかないんですよ、岡山は。


「他になんかないんか」というのが正直な感想。桃太郎感はあまりなく、他にないから「桃太郎にしとく」みたいな感じですよ。


公募された候補の中には「岡山大都会空港」という素敵な名前も入っていましたが、保守的な岡山県民は「岡山=桃太郎」という意識が強く「岡山桃太郎空港」という極めて当たり障りのない愛称に落ちついてしまいました。


それに比べて「富山きときと空港」や「おいしい山形空港」「おいしい庄内空港」はインパクト大です。

富山きときと空港はまったく意味不明なネーミングですが、「きときと」は「新鮮な・生きがいい」という意味の富山弁らしく地元色が強くでています。


響きが意味不明すぎて印象に残りますよね。


「おいしい山形空港」と「おいしい庄内空港」は山形県においしい物がたくさんありそうです。「おいしい」は「好ましい・見事」という意味もあるようですが、空港に「おいしい」を付けると違和感が半端ないので目を引きますよね。


一部の空港では愛称を付けたことで人々の注目を集めることに成功しています。

しかし、ほとんどの空港は愛称がついていることすら知られていないという悲しい現実があります。


沖永良部空港や隠岐空港や能登空港の愛称がどんなのか知っているでしょうか。

私は知りませんでした。

空港の愛称を調べていて初めて知りました。


地方の小さな空港ともなれば、空港の存在自体が知られていないことだってあるかもしれません。

あるいは空港の名前は知られていても、愛称がまったく浸透していないことだってあります。


中部国際空港の愛称は「セントレア」と即答できる人は多いかもしれませんが、神戸空港の愛称は「マリンエア」と即答できる人がどれくらいいるでしょうか。

愛称である以上、広く知られていないと意味がありません。

おそらく愛称を付けたけどイマイチ浸透しないことにがっかりしているところって多いんじゃないかと思います。


空港の愛称より大事なもの

空港の愛称は必要ありません。

愛称を付けて地方の魅力を発信できるなら、こんなに楽なことはありません。


都会に住む人の多くは地方出身者です。

岡山出身の人なら、「自分のルーツは岡山だ」と心のどこかで思っています。

秋田出身でも、北海道出身でも、沖縄出身でも、佐賀出身でも、みんな故郷の土地を忘れたりしません。


故郷はいつ帰っても同じ風景、同じ味、同じ匂いで良いのです。


都会の人たちの気を引かなくても、いつも都会で故郷を思い出してくれている人がいることは地方都市が喜ぶべきことです。

どんなに遠くにいても生まれ育った町を忘れずにいる人を、いつでも変わらず出迎えてあげられるのが地方都市です。

他の地方都市と競う必要なんてありません。


そりゃ観光に来てくれたらうれしですが、お正月やゴールデンウィークやお盆に帰ってくる人がいるだけでもうれしいですよ。


愛称を考えてPRに躍起になるよりも、美しい景色や懐かしい言葉や食べ慣れた味を守り続けるほうが大事です。

長い歴史のなかで育まれた地方都市の魅力は、空港の愛称ひとつで高まるものではありません。


もっと地方文化の多様性を大切に、帰ってくる人がほっと一息つけるようなユルイ地方都市を作っていくほうが魅力が高まる気がします。



ふるさとは

遠きにありて思うもの

そして悲しくうたふもの



帰ってくる人を温かく迎える心があれば、きっと地方都市の魅力が失われることはありません。

そして、忘れられることもないのです。

愛称なんかなくても、人が訪れるようになるのです。