セレスティン銀座滞在記【HOME AWAY HOME】

旅行にまつわる話
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さて、今日もこちらにやってきました。

スモールラグジュアリーという言葉が文字通り当てはまるホテルはこの界隈において他にはないでしょう。


都内に自宅のない私にとって、銀座の片隅にあるこのホテルは主要な拠点のひとつです。

銀座の中心からのアクセスは至便、客層もグランドホテルに泊まるまでもない独り身のエグゼクティブが多いと聞きます。

それゆえ、他の三井ホテルブランドとは一線を画したホスピタリティのレベルの高さに定評があります。


日建設計のデザインによる建築はこの規模では珍しい免震構造を採用し、敷地の狭小さを最大限のプラン効率でクリアした上に天井高は3mと平面スケールを十分に補完するスペックを兼ね備えています。


インテリアはグローバルなラグジュアリーブランドをあまた手がけるHBAが担当。

ウォームベージュと緑のアクセントによるエレガンスがこの重箱のような建物内を彩っています。


まだ早い午前に到着しひと通りの手続きと荷預けを済ませたあと、文字通り銀ブラにでかけて日中を過ごすことにします。

もう十数回以上泊まっているためスタッフさん達も直接口には出しませんが、手際のひとつひとつや表情から「おかえりなさい」の気持ちが伝わってきます。


エルメスの馬

今日の銀ブラはのテーマは「ギャラリー巡り」とします。


この地はご存知のとおり画廊や起業ギャラリーの集積地(ほとんどがエントランスフリー)で、ホテルがその拠点としての威力を発揮してくれます。


エルメス8Fでは馬をはじめ家畜を主題にしたアーティスト、シャルロット・デュマの展示がされており、イタリア建築家レンゾピアノのガラスブロック空間と互いの良さを引き出しています。

ご存知のとおりエルメスは馬具の製造を起源としており、そのつながりもあるのでしょう。


蒼い布は沖縄在住の染色家さんとのコラボです。ブランドアイコンのスカーフを連想させますね。


永井先生

通りがかりのギンザグラフィックギャラリー(DNP)では今年御年91歳になるグラフィックデザイン界のレジェンド、永井一正さんの作品が惜しげもなく展示されていました。


セレスティン銀座のバーにも先日いらっしゃったみたいですよ。



ギンザモードの城

さて、ユニクロ旗艦店の裏手にあるDOVER STREET MARKET で例の彫刻的な[試着室]をチェックした後、各階を巡ります。


ここは当然ブティックではありますが、各ハイブランドの先鋭的なプロダクトが目白押しで、ここを一周すれば最新トレンドの流れがなんとなくつかめますし、ほぼデザイン美術館といっても差し支えないでしょう。

(当然商品そのものの撮影はNGです)


ストリート主体なので価格も一部ブランド除き法外なものではありませんので、身構えずふらっと入るのも吉です。


知られざる拠点

ランチはDOVER 7Fのローズベーカリーでごくごく軽く。

場所柄ファッション・建築関係者などが多数出入りしており、先日は隣の席で建築家の妹島和世さん(SANNA主催)がスタッフの方とランチミーティングをされてました。


直接お会いするのは学生時代以来ですが、軽く挨拶と事業の説明をする機会にも快く応じてくださいました。


パープルのサンローランのカットソーをカッコよく着こなされていたのが印象的でしたね。

今日もどこかで見覚えのある海外デザイナーが談笑されてました。


やはり特段お金をかけなくても、ただ歩くだけで先端文化の空気を享受できる場所は日本においてはここ銀座の他は京都ぐらいではないでしょうか。


銀座の秘密基地

さて、頃合いをみてホテルに戻りアサインされた部屋に向かいます。

実は不定期でチェックイン時の空き状況によっては少額の追加で最上級のエグゼクティブツインにアップグレードできるプランがあります。

部屋の構造は実質スイート。

今回もそれを活用させていただくことにしました。




最上階のエグゼクティブツインは住宅のような程よい平面スケールに規格外の天井高が与えられた、ある種ヨーロッパ型ホテル的な空間構成です。


約45㎡の平面の中に独立性や回遊性などのスイート要素をうまく納めています。

こちらのタイプの部屋に投宿するのはおそらく4回目になるのですが、泊まるほどに使い勝手が慣れてきます。


私はこのようにして自分のベッドルームを東京じゅうに散らばらせているんですね。



この建物は四周囲まれてるので基本窓は縦スリット型で控えめなのですが、13F最上階だと頭ひとつ抜けるのでブラインドを上げると突然のアーバンビューが視界に現れます。


あと、この部屋の私的ポイントはこの作り込まれた書斎でしょうか。

セレクトされた小物やブックとともに一種の茶室的小宇宙をこの部屋に与えています。



水回りもダブルシンクなので二人で泊まったとしても申し分ないですね。

強いていうと浴槽の水圧が若干弱めでお湯を張るのに少々時間がかかるぐらいでしょうか。

アメニティはおなじみブルガリシリーズのブルーです。


CASITA NIGHT MODE

この宿のレストランは最上階のカシータのみ。

この空間で全てのダイニング・バー的楽しみが完結するので、外に出かける必要はまったく感じません。



お値段も宿泊同様リーズナブルですしね。

スタッフの方と話すと私のSNSのファンだそうで、見知った友達のようなフランクなサービスを楽しませてもらいました。


ウェルカムドリンクで赤ワインのシラーズを頼んだ後、イタリアンビールのペローニへと移ります。



イタリアのビールと聞くとまずモレッティが思い浮かびますが、こちらはとても透明感のある飲みごごちが満足で、より好みでした。



本日のディナーはマッシュルームのスープに、マグロのあしらわれたカシータサラダをハーフサイズ、シメに本日特製のサルシッチャとペコリーノチーズのパスタをいただきました。


どれも本場に負けないクオリティかつ日本人の好みに寄り添ったテイストと食べごたえです。


カウンターの右奥には日比谷のペニンシュラが望めます。


今日もおやすみ

部屋に戻り、しばらくくつろいだ後に就寝とします。

書斎にはさりげなくインテリアデザイナー集団のHBA作品集が飾ってあります。


調光や空調はタッチパネルで全て完結なので、いちいち手探りでスイッチを探す手間はありません。

スムーズに部屋全体をブラックアウトへと導き、眠りにつくことができます。


そして朝


起床してブラインドを上げると、夜はおぼつかなかった汐留方面の景色が眼前に現れます。


日の出から刻一刻と差し込む光が変化し、部屋全体が次第に[起床]する様を見届けられるのは、泊まることで得られる朝の醍醐味でもあります。


CASITA MORNING MODE


朝もメインかつ唯一のダイニングであるカシータへ。

今朝は角のカウンターを案内されました。



この銀座中心に隣接した位置や周辺のビルの高さもあいまって、東京タワーをはじめ主要ランドマークを観測できる、隠れた都心の[観測所]でもあります。



朝食は和洋選択できますが、ここではもっぱら和食だったりします。



その日厳選された塩鮭がついてきますので、ぜひ後で茶漬けにして最高の朝を味わうことをオススメします。


SEE YOU SOON AGAIN


さて、コンパクトながらそのデザイン・サービス密度だけでなく周辺と連動して銀座を最上級に楽しむ仕掛けがこのホテルには仕こまれています。


ぜひ一度トライして、かりそめでもこの一等地の住人気分を味わうのはいかがでしょうか?

わたしはこのあたりでまた[銀座のベッドルーム]を一時離れることとします。


【滞在したホテル】

ホテル ザ セレスティン銀座


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この記事を書いた人
深尾紀彦

ステイ・アート代表
ホテルを中心に様々なアートプロジェクトやコンテンツ制作をおこなっています。
一級建築士でホテル・リゾート企画設計、デザイン等も行います。
ホテルでなにか新しいこと、面白いことをしたい方はぜひご相談ください!

twitter ⇒ @noristay1
Gmail ⇒ norihiko.fukao@gmail.com

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