革靴を愛用する人なら一度は靴磨きをしたことがあるでしょう。
高価な靴でも安物の靴でも、泥やホコリにまみれた靴であれば「汚い靴」とひとくくりにされてしまいます。
靴の値段も大事ですが、一番大事なのは美しさです。
靴を美しく保つことは簡単なことです。
しかし、簡単なことを継続するのは大変なことです。
今回は痛んだ靴を直すお話ではなく、靴を美しく保つために毎日できる基本メンテナンス「ブラッシング」と「除湿」についてお話します。
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一日履いた革靴はダメージを受けている
あなたは革靴を何足持っていますか??
一周間のうちに革靴を履く日が5日あるなら、最低でも3足の革靴を準備しておかないといけません。
靴は長時間足を保護して地面の汚れは危険にさらされています。そして足から分泌される汗は靴の内部に染み込み、湿度の高い状態にさらされます。
靴は着用されている間、外側からも内側からも負担がかかる状態にさらされているのです。
革靴のダメージは蓄積する
たまに同じ革靴を毎日履き続けている人がいますね。
私はそんなこと絶対にしません。
一日履いた革靴には汗が染み込み湿度が高く、数日間の休息を与えてやらないと乾ききらないのです。
湿度の高い革靴を繰り返し履いていると革靴の内部は雑菌の温床となってしまいます。
そんな状態の靴を履きたいと思いますか??
私は絶対に履きたくありません。
連日のように履き続け汗やホコリなどの汚れや負担がかかり続けると、革靴の痛みを早めてしまいます。
一度痛んでしまった革靴はかなり丁寧なケアを施してあげないと本来の美しさを取り戻すことはできません。
日ごろからホコリを放置したり連日履いても気にならない人は、きっと丁寧なケアをしようなんて思うこともないでしょう。
つまり、靴は疲労困憊の状態で酷使され続けることになるのです。ダメージは蓄積していく一方ですね。
革靴にダメージを蓄積しないためにやるべきこと
一日中履いていた靴はホコリをかぶり、内側には汗が染み込み雑菌だらけ。
いやですね。
水虫になりそうですね。
革靴にダメージを蓄積してしまう最大の要素は「連続で履く行為」です。
もし革靴を最低でも1日休ませることができれば、靴の内側の湿気はかなり取り除くことができます。
革靴が1足しかない人には不可能ですが、毎日革靴を履く人なら最低でも2、3足の靴を用意しておくべきです。
雑菌の温床となりやすい革靴を連続履きするなんて言語道断。一日履いたら風通しのよいところで2日ほど陰干ししてやらないとダメです。絶対にそうしないとダメです。
靴が1足しかない!!って人はまず靴買いましょう。
最低でも2、3足。
高級靴を買いそろえる必要なんてありません。
国産メーカーのリーガルやスコッチグレインの手ごろな価格帯の良質な革靴をローテーションするようにしましょう。
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革靴はブラッシングで手入れするのが基本
一日履いた靴を見ると、うっすらとホコリがついて汚れているのがわかります。
舗装された歩道を歩いても、砂埃が付着するんですね。
そして、心当たりのない小さな擦り傷がついていることもあります。
つま先に傷を発見したらちょっと落ち込みます。
しかし、日常的なメンテナンスとして「ブラッシング」が実践できていれば、ホコリを被っていたも軽い擦り傷が付いていても深刻に考える必要はありません。
ブラッシングは靴を守るために必要
革靴は天然素材でできているため革の表面には微細な凹凸があります。
靴を履くと小さな汚れやホコリが靴の表面に付着して行きますが、あまり長期間放置しておくと微細な凹凸に汚れやホコリが入り込み、落としにくい状態になってしまいます。
革の表面が汚れやホコリで覆われてしまうと、通気性も損なわれてしまうので不衛生です。
こんなことにならないように、靴の表面に付いた汚れやホコリは直ちに取り除かなければならないのです。
一日履いた靴は思っている以上に汚れています。
脱いだらブラシをかけるくらいの心構えで手入れしていくことをおすすめします。
ブラッシングの手順
ブラッシングは毎日の手入れですから、クリームなど使わずただブラシをかけるだけの作業を基本にします。
- 馬毛のブラシで靴のアッパーに付いたホコリを払う
靴は履いているうちにシワができています。シワに入り込んだ汚れや縫い目、靴底とアッパーの境目のコバ部分もしっかりブラッシングしておきましょう。
決してゴシゴシではなく、力をゆるめてソフトにブラッシングですよ。
- 豚毛のブラシで磨き上げ
ホコリを払い終えたら革に光沢を取り戻す作業です。定期的なメンテナンスで革の表面には栄養分や油分を補充してありますから、毎日クリームを塗りこむ必要はありません。全体を磨き上げるだけで自然な油分が美しい光沢を生み出します。
ここでも決してゴシゴシではなくソフトに。
これだけやればいいです。
一日酷使した靴も十分きれいになります。
ブラッシングで光沢が復活
靴全体に優しくブラシをかける「ブラッシング」は丁寧にやっても1足5分くらいで十分です。
ステインリムーバーやシュークリームを使った本格的なメンテナンスは毎月1回程度で十分だと思いますが、短時間でできるブラッシングは毎回行いましょう。
ブラッシングを行うと定期的なメンテナンスで塗りこんだクリームの成分が革になじみ、ピカピカに磨いた時と同じ光沢感を簡単に取り戻すことができます。
小さな擦り傷もブラッシングによって目立たない状態になります。
特にトウの部分は知らないうちに傷が入りやすいうえに目立つ場所なので、ブラッシングの効果を実感しやすいと思います。
基本的にブラッシングの際は新たなシュークリームを塗りこむ必要はありません。小さな傷はものすごく簡単に目立たなくなりますし、ツヤツヤな光沢も出てきます。さらに、革の柔軟性を保つことだってできます。
毎日コツコツがたいへんですが、習慣化してしまえば楽勝メンテナンスと言えそうです。
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靴の型崩れを防ぎ湿気を除去する道具
靴を脱いで軽くブラッシングしたら、あとは数日間の休息を与えるだけです。が、靴の内部には湿気が残っています。
この状態を放置するわけにはいきません。
で、どうするか。
シューツリーを入れましょう。シューキーパーでもいいです。
つまり、靴の型崩れを防ぎ湿気を取り除くために型をはめ込むんですね。
シューキーパーはどれを使うのがいいか
シューキーパーは安い物から高い物まで種類が豊富です。
せっかくなので高級なシューキーパーでがっちり型崩れを防いで湿気と匂い対策するぞ!と意気込んでしまう人もいますが、高ければいいってことでもありません。
まずはシューキーパーの種類と役割を確認しておきましょう。
高品質なシューキーパーは臭いを抑え湿気を吸収するようシダーのような堅い木材で作られています。
木製のものは高価ですが防湿・防臭の効果が高いのが特徴です。
ただ、木製のシーキーパーでも表面にニスを塗ってある製品もあります。
表面に塗料を塗っていると湿気を吸い取る力が弱くなり、防臭効果も薄れるため費用対効果は微妙ですね。
価格重視でとにかく型崩れを防ぎたい人にはプラスチック製のシューキーパーも良いかと。安くて軽いですが、湿気や臭いは除去しません。
シワ伸ばしと型崩れ防止のためにシューキーパー入れて、風通しのいいところで数日休ませる感じならプラスチック製でも十分かなと思います。
ただ、本当に高機能でシューキーパー本来の働きをするのは無垢素材の木製シューキーパーですよね。どちらを選ぶかは財布の中身と相談です。
まとめ
靴の修理に関する記事がよく読まれているので、今回は重症になる前にやっておきたい「予防措置」をご紹介していきました。
靴磨きは毎週必ずやるものではありません。
そして、高価な道具を買いそろえる必要もありません。
道具の豊富さよりも最低限のメンテナンスであるブラッシングを毎日欠かさないことのほうが大事なのです。
ブラッシングはまったくお金がかからないのに絶大な効果を発揮するメンテナンスです。
柔らかい馬の毛で作られたブラシでホコリを払い、硬い豚の毛で作られたブラシで磨くだけです。
たったこれだけで革靴を美しい状態に戻すことができるのです。
毎日の簡単なメンテナンスと月1回程度の定期的なメンテナンス、そして長年履き続けた結果生じる色落ちや深い傷といったトラブル対策。
やはり毎日の積み重ねが大事です。
まずは、靴を最低3足でローテーション。
そして、履いたら必ずブラッシング。
これだけでも靴の寿命は驚くほど長くなります。
さっそく今日からブラッシングを始めてみましょう!!