ハイアットリージェンシー東京滞在記【西新宿の巨塔】

旅行にまつわる話
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JR新宿駅から都庁への地下道を抜けると、土色のタイルに囲まれた巨壁が姿をあらわします。

小田急時代から40年の歴史を誇る日本外資系ホテル史の生き字引でもあるハイアットリージェンシー東京です。



今なおOLDNEWな威厳と陳腐化の波に動じない普遍性のある建物です。

ハイアットのコンセプトに沿ったモダンさと日本的ワビサビが見事にかけ合わさったオトナホテルともいえるでしょう。



NSビルに代表されるような、西新宿的大スケールのアトリウム空間にゴシック要素が付加された感じが、今となっては歴史の重みだけでなく一種の新鮮味も与えてくれます。


アイコンでもある三つの巨大シャンデリアも時を超えて今なお健在です。

いわゆるファッション的なクールさとはまた違った独自の価値観の世界ですね。


小刻みなリノベーション





共用部は30年の歴史を感じさせる各エレメントに世界中のハイアットインテリアを手がけるスーパーポテトがおそらくディレクションしたコンテンポラリー要素があんばいよく挿入されることで、その[古臭さや焦げ目]をうまく生かした[発酵的リノベーション]をしています。


このロビーを覆う床石の象嵌など、いまやコスト的に実現不可能でしょう。西新宿にはそのようなモダニズム建築の[歴史的遺構]が散らばっているのです。


杉本貴志の手跡



さて、早々とチェックインして予約したクラブキングの部屋に進みます。

こちらは共用部とうって変わってスーパーポテト(杉本貴志)のジャパニーズコンテンポラリーモダンが全面的に支配する空間です。


いわゆる甘めのカワイイ要素はありませんが、落ち着き具合と緊張感のバランスは都内随一のオトナ空間でしょう。


他の一般客室はロビー同様古き良きオールドスタイルを踏襲しています。

そちらの方が好きな海外の方も多いとのことですね。



部屋じゅうに確かなディテールと機能美が随所にあらわれています。

やはりアジアにおけるハイアットの代表格なこの部屋の気合いの入りようやデザインレベルはタダモノではありません。



京都はどちらかというと同じくスーパーポテトディレクションの無印良品的マイルドスタイルですが、こちらは故杉本貴志先生の気迫が伝わってくる尖りようです。


一枚ガラスやベッドの納まりなどかなりのこだわり具合です。

同じくグランドハイアットのスパにも近いレベルでしょうか。


遅めのランチはインルームでクラブハウスサンドイッチをいただきました。

ハンバーガーか迷ったのですが、ルームサービス担当さんから食べやすいこちらをリコメンドされ、確かに正解でした!


黄昏のクラブラウンジ


さて日も暮れそうなので、そそくさとクラブラウンジへ向かいます。

とあるご夫婦が西新宿の西日と日没をまちながら寛いでおられました。


そしてこのホテル9階に位置するラウンジの特徴のひとつは、都庁その他主要企業の高層ビルがせまって見えるという、ある建築や不動産関係者にとってはとても[日常感]あふれるビューなのであります…。



そうこうしているうちに日も完全に暮れ、おまちかねカクテルタイムの始まりです。

とてもユーモアがあり、かつ親しみのあるスタッフさんがいらっしゃって「お長いんですか?」と尋ねしたところ、なんとハイアット前身の小田急から40年勤められてる【レジェンド】さんでした!


そして客はほぼ私1人でレジェンド・シライ氏の独占バーテンモードに図らずも突入してしまいました。


夜の発酵空間


さて、部屋にもどるとあたり一面素材や納まりといったスーパーポテトの空間エレメントが本領発揮しています。

箱根・京都・六本木・ソウル・シンガポールetcそれぞれに通じたレジェンダリーな空気感が西新宿のここにいま現れています。


語弊はありますが[ピッカピカのラグジュアリー]とは違う[ちょっと焦げてくすんだかんじ]がこのホテルの魅力だったりもします。

なんとなく普段7割の客層がインバウンドなのは、西新宿のくすんだ日常を、なじみのあるハイアット空間からのぞきみる良さがあるからかもしれません。



そして…若干変則的ながらお隣のヒルトン東京に出向き、恒例の【二大ブランドはしご】モードを決行します。

歩いて徒歩3分もかからない位置関係ですね。


永遠のライバル



しかし、ここヒルトン東京2階に位置するTSUNOHAZUはあいかわらず華やかなダイニング空間です。

ハイアットとヒルトン。

お互い示し合わせてるんじゃないかと思うほど対極的な二大ホテルというか、長年の好敵手ですね。

それぞれ補完の関係にあるとも言えます。




お寿司もいいのですが、先程ラウンジで多少つまんだので今晩は十二颯の稲庭うどんを軽くいただくことにします。


禅なる部屋

さて、寝床のこちらハイアットに戻りゆっくりと秋の夜長を過ごすことにします。

それにしてもこの類いの空間は[禅的]というか邪念をはらう仕様で、デートなどよりは1人で落ち着いて趣味や仕事に没頭するのに最適でありますね。


起床午前8時


そして朝です。

いかにパークハイアットなどいわゆるラグジュアリーホテルが贅沢さで優れているからといって、お金関係なしにずっとそこに住みたいかといわれると、ちょっと気がひける感じはします。

(某カリスマホストさんとか浮世離れした方は別として)


ですが、このコージーモダンな部屋は長期滞在大アリで、私的東京ナンバーワンルームなわけでもあるんですね。


西新宿の常食


かなり遅めな朝食は、東京ビュッフェスポットとして名高いこちらの[CAFFE]でいただきます。

こちらもスーパーポテトのデザインボキャブラリーに満ちみちたリラックスモダン空間です。

おなじみ和食ダイニング[佳香]の和朝食をチョイスしました。


さらば巨塔

結局今回は外出含め24h以上滞在し、ホテルにお世話になってしまいました。


やはりこのビジネスとチル、日常と非日常の隙間に位置するここは、幾人かの著名人がおっしゃるとおり[最強のホテル]なのかもしれません。



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この記事を書いた人
深尾紀彦

ステイ・アート代表
ホテルを中心に様々なアートプロジェクトやコンテンツ制作をおこなっています。
一級建築士でホテル・リゾート企画設計、デザイン等も行います。
ホテルでなにか新しいこと、面白いことをしたい方はぜひご相談ください!

twitter ⇒ @noristay1
Gmail ⇒ norihiko.fukao@gmail.com

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