カードローン地獄に落ちると基本的に抜け出せません。
なぜなら、カードローンはずっと利用し続けてもらうために商品設計してあるから。
なので、自力でどうにか返済するのはかなり難しいのです。
いくら返済しても残高が減らない状態になってしまうと金融機関に多額の利子を払い続けことになってしまいます。
お金を納め続けてくれるカードローン利用者は「金融機関にとって最高の養分」ですね。
今回は金融機関が販売に力を入れているカードローンのダークな部分を掘り下げます。
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カードローン利用者は基本的にアホな養分
カードローンの利用者と残高は最近急増しています。
利用残高はここ5年の間に60%も増加して5兆4377億円となりました。
年齢や性別を問わず、たくさんの人が日常的にカードローンを利用しているんですよね。
カードローン利用者は金融機関などの貸す側からみると「アホな客」です。
ひどい表現ですが、減ることのないローンをひたすら返済し続けてくれる金融センスに乏しい人であることに間違いはありません。
さらに、返済が苦しくなっても新たなローンを借りて返済し続けてくれる人も多いので「アホが搾取される状態」です。
普通のサラリーマンはカードローン地獄に落ちやすい
金融機関にとって最高のカモは「安定した年収があるサラリーマン」です。
中産階級のサラリーマンは生活もそれなりに派手で、見栄も張ります。
中産階級のサラリーマンは実際のところたいして裕福ではないため、生活スタイルを高めすぎて支払いに困っている人も多いんですよね。
こんな人は自分の支払い能力を過信しているので、楽勝でカードローン地獄に引きずりこめるのです。
カードローン地獄に引きずり込む手順は2ステップです。
- カードを作らせる
- 利用していれば限度額を徐々に増やす
カードローンの利用枠を使い切っても、限度額を増やしてあげればどんどん利用してくれます。
しばらくすると限度額は上限に達しますが、すでに通常の返済で全額返すことは極めて難しい水準になっています。
しかし、中流サラリーマンは見栄っ張りなので一生懸命返済してくれます。
返済金のほとんどが利息分ですが、給料も安定しているのでどうにか返せるんですよね。
こんな感じでカードローン地獄にハマった養分が完成するのです。
こんな調子でカードローン地獄に落ちていく人は完全に「アホ」ですが、意外と身近な人が該当者だったりします。
カードローンにはどんなタイプがあるのか
カードローンはあらかじめ決まった限度額の範囲で繰り返しお金を借りることのできるローン商品です。
よく見かけるカードローンは担保が不要です。
カードローンは取り扱う金融機関によって特徴があります。取扱い先は大きく3つに分類できます。
- 銀行のカードローン
- 消費者金融のカードローン
- 信販会社のカードローン
銀行のカードローン
銀行カードローンの特徴点は次の通りです。
- 審査が少し厳しめ
- 金利が比較的安い
- 限度額も大きく設定できる
大きな限度額が設定されると低金利になりますが、小さな限度額だと高金利になる傾向があります。
また、金利は審査の結果によって保証会社が銀行プロパーではなく提携会社になることもあります。
結果として適用金利が大きく異なる場合もあるため、店頭表示の最低金利で利用できるとは限りません。
消費者金融のカードローン
消費者金融のカードローンの特徴はこんな感じです。
- 審査は銀行に比べると易しい
- 金利は比較的高い
- 限度額は小さくなる傾向
利用者の属性による金利差が激しく、ローンをたくさん利用している人や年収が少ない人には銀行よりもかなり高い金利を設定してきます。
10年くらい前は消費者金融で身を滅ぼす人はたくさんいましたが、現在は総量規制によってある程度歯止めがかかっています。
信販会社カードローン
クレジットカード会社のカードローンの特徴はこんな感じです。
- 審査はクレジットカードと同程度の難易度
- 金利は高い
- 限度額は小さい
クレジットカードとセットになっているため、わりと無意識に契約している人が多い商品です。
クレジットカードの利用明細に「カードローン枠」などと書いてある場合は、カードローン契約があります。
クレジットカードの場合、ショッピング利用枠だけでなくカードローンやリボ払いなどの利用枠も設定されていることがほとんどです。
ショッピング枠で翌月一括払いなら金利手数料がかかることはないですが、カードローンやリボ払いなら極めて高い金利がかかるので要注意です。
カードローンのイメージ戦略に騙されてはいけない
みなさんはカードローンにどんなイメージを持っているでしょうか。
わたしは「カードローン=悪」と確信しており、「利用者=アホ」だと思っています。
消費者金融(サラ金)なんか「お金に困って自転車操業」という負のイメージしかありませんよね。
かつてはそんな認識が一般的で、カードローンを利用するのは恥ずかしいことでした。
ところが、最近は少し警戒すべき状況になっています。
カードローンの清潔感や安心感は虚像
カードローンのCMは生活者に寄り添った雰囲気を醸し出し、明るく清潔感のあるものがほとんどです。
あるいはコミカルな路線で消費者に訴求するものもあります。
さらに、消費者金融各社は大手銀行のグループに組み込まれているためクリーンなイメージに変わってきています。「大きな銀行のグループ企業のカードローンなら安心」と思っている人も少なくないでしょう。
また、即日審査・即日発行やローン専用カードも自宅以外に届けてくれるなど、柔軟にお客さんの要望に応える体制を整えているところもあります。
なぜそこまでするのでしょうか?
「大切なお客さんに一刻も早くお金を都合したい」と考えているのでしょうか?
金融機関は基本的に金儲けの思惑で動いています。
お客さんの利便性というのは建前にすぎません。
カードローンを利用しやすいようにサービスを整えているのは、単純に「高い金利のカードローンをしっかり利用してもらいたいから」です。
カードローンの販売はお客さんお幸せのためではありません。
金融機関がマイナス金利政策に苦しむ中で収益を伸ばすために販売しているのです。
どうしてもお金を借りたいと考えている人にはカードローンを勧めておけばいいのです。
お金に困っている人は金利が高くてもどんどん使ってくれます。
限度額を増やしてあげれば、さらに使ってくれます。
将来的にお客さんが返済不能になったら、代位弁済すればいいだけの話です。
カードローンの返済は延々と続きます。借りやすく返しにくいカードローンは、金融機関の巧みなイメージ戦略とセールスにより一般人の生活に溶け込み、需要を伸ばし続けているのです。
カードローンのメリット・デメリット
今回はカードローンの悪口ばかり書いていますが、利用価値が全くないわけではありません。
カードローンは基本的に悪ですが、良いところもあります。
カードローンのメリットとデメリットについても理解を深めておきましょう。
メリット
- 使い道が自由
- 限度額の範囲内であれば、繰り返し使える
- すぐに審査結果がわかる
デメリット
- 金利が高い
- なかなか返済が終わらない
- 借りる癖がついてしまう
カードローンは少額のお金を用意する際には便利な商品です。
あらかじめ利用限度額を設定しておけば繰り返し利用できるので、都度審査を受ける必要がありません。
しかし、「迅速な融資」という利便性と引き換えに高い金利を支払わなければなりません。
カードローンは一度利用すると繰り返し使ってしまう人が多い商品です。
毎月決まった金額を返済しながら、新たな借入を発生させないようにすることが大切です。
また、カードローンは返済終了まで長い期間を要することも多いため、まとまったお金を臨時で返済する「繰り上げ返済」を計画的に実施する必要があります。
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カードローンは「諸刃の剣」
カードローンは「ハサミ」みたいなものです。
正しい使い方を理解していれば、決して傷を負うことなどありません。
「ハサミの使い方」は小さいころに教えてもらったので誰でも知っていますね。
ではカードローンの使い方を教えてもらったことはあるでしょうか?
金融機関ではカードローンの「使い方」は教えてくれます。
しかし、「正しい使い方」は教えてくれません。
正しい使い方を教えてしまうと、金融機関は儲けのチャンスが減ってしまうためです。
無知な消費者に高金利なローンを背負わせることが金融機関の利益につながります。
そして返済年数を長期化させれば、さらに金融機関の儲けは膨らみます。
そんな儲け方を実践している金融機関が「正しい使い方」を教えてくれるはずがありません。
カードローンの「正しい使い方」
「使い方」とは、その機能を単純に利用することのできる知識です。
「正しい使い方」とは、その機能を利用し、利用に伴うリスクも回避することのできる知識です。
カードローンは「使わない」という選択が正解なので、使うことを想定したくないものです。
しかし、やむなく使わざるを得ない時には「正しい使い方」となるように留意してください。
カードローンの使い方は単純で「カードを使ってATMからお金を引き出す」だけです。
利用後は毎月返済していくことになります。
金利が高いので将来の利息負担は大きく膨らんでしまいます。
カードローンの「正しい使い方」をあえて挙げるとすれば、カードローンを利用したら可能な限り早く全額返済することです。
必要に迫られて利用したローンが少額であれば、翌月の給料で全額返済することも検討すべきでしょう。
「お金に余裕がないからカードローンを利用しているのに、繰り上げ返済なんかできない!」と思う人は論外です。
カードローンを使わずに家計収支全体を見直して生活水準を下げるべきですね。
緊急事以外はカードローンを使ってはいけない

どんなものにもメリットとデメリットがあり、使い方を間違えると大きな痛手を負う可能性があります。
カードローンも上手に使えば節約効果を引き出すことができますが、活用するのは難しいので基本的に使わないことをおすすめします。
カードローンを契約すること自体に問題はありませんが、複数契約する必要もありません。
金融機関は利益のためにカードローンを使ってほしいのです。
そして、できるだけ長く利息を払ってもらうように工夫しています。
金融機関でカードローンを提案されたら次のことを考えてみましょう。
- 暮らしの中でどう役に立つのか
- 利用に伴うリスクは何か
- そのリスクを回避する手段はあるか
「万が一のときに備えて」とか「お守り代わりに」というセールスをする金融機関は信用してはいけません。
金融機関が本当にお客さんのことを考えていれば、カードローンなんて提案するはずがありません。
彼らは金融機関の生き残りのためにカードローンを利用させたいのです。
銀行の養分にならないように、細心の注意を払いましょう。