先日横浜から熱海までJRを利用して移動しました。
特急踊り子号に乗ってスイスイ移動したんですが、普通にきっぷを買っても芸がない。
ということで、どうにか料金を抑えることができないかと考えてみました。
JRの乗車券は複雑な料金体系なので、考えれば何かしらお得な方法が出てくる可能性があります。
以前書いた寝台特急サンライズの上手な乗り方もそんな方法の1つです。
で、今回は往復割引も適用されない区間でも運賃を安くする方法をご紹介してみたいと思います。
JRの料金体系は本当に奥が深いもんですよ。
JR乗車券の基本的なルール
いまさら説明するまでありませんが、距離が長くなるにつれて料金が増えるようになっています。
この料金体系を「対キロ制運賃」と言います。
対キロ制運賃はわりと単純な計算です。
キロ当りの賃率(対キロ賃率)に乗車区間の営業キロを乗じて運賃を算出するだけです。
これが基本。
JRの本州3社では、この対キロ制運賃には区間の距離が1キロー300キロ(第1地帯)、301キロー600キロ(第2地帯)、601キロ以上(第3地帯)の3区分に分かれて適用される対キロ賃率が異なるというルールがあります。
この区分によって乗車距離が長くなればなるほど割安な運賃となる設計になっています。
すでに難しい話なので、鉄道好きな人以外は混乱してしまいそうですね。
シンプルに「JRの料金体系は長距離の乗車券を買うほどお得になる」と覚えておきましょう。
同じ移動距離なのにきっぷが安くなる買い方がある
さて、JRの乗車券の基本的なルールは「長距離ほど割安になる」と覚えてたところですが、さっそく例外を紹介していきます。
JRを利用して横浜から熱海まで移動する場合を例に説明していきますよ!
温泉行きたい人は要チェックです!
では最初にJRの乗車券を普通に購入した場合の運賃です。
特急踊り子115号に乗って熱海まで1時間の旅です。
ここで確認してほしいのが乗車券の料金です。
乗車券の値段は1,320円になっていますよね。これは横浜ー熱海の乗車券を買った場合に支払う運賃です。
大多数の人はこんな風に乗車券を買いますよね。
でも、こんな買い方をすると不思議なことが起きます。
横浜ー熱海の乗車券を普通に購入するのではなく、横浜ー大船・大船ー熱海の乗車券を購入してみます。
横浜ー大船の乗車券は310円です。
続いて大船ー熱海の乗車券は970円です。
二つの区間を足してみると、310円+970円=1,280円となります。
普通に横浜ー熱海で乗車券を購入すると1,320円でしたから、40円安く購入することができましたね!!
さっき乗車券のルールとして「長距離になるほど割安」と覚えておきましょうと言いましたが、短い距離のきっぷを組み合わせたほうが安くなるという不思議な現象が起きてしまいます。
ちなみに、横浜ー大船・大船ー熱海の乗車券と横浜ー熱海の特急券を組み合わせて踊り子号に乗車しても問題ありません。
この点はJR東日本に確認済み。
同じ区間を利用するなら、ちょっとでも安いほうがいいですよね。
同じ区間なのに買い方で値段が変わるJR運賃の謎
こんなことが起きるなんて、知ってましたか??
運賃体系を細かく把握している人なんてほとんどいないので、こんなことに気が付く人なんて基本的にいないと思います。
でも、この不思議な現象を上手に活用すれば、いろいろな場面で乗車券を安く購入できるようになりそうですよね。
その際に参考にしたいサイトを最近見つけました。
その名も乗車券分割プログラムです。
複雑なJRの運賃体系を細かく反映した計算を自動でやってくれるという優れものです。
通常の幹線区間だけでなく、東京・大阪の電車特定区間も特定都区間などの運賃体系も含めて計算可能という細かさ。
今回の横浜ー熱海間の乗車券も乗車券分割プログラムで計算して導いたものです。
ある程度の移動距離がある区間なら「どの駅で乗車券を分割すればいいのか」が簡単に見つけられますから、ついついお目当て以外の路線も試してみたくなります。
運賃体系の細かい説明まで用意してくれていますから、まったく考えたこともないようなJR運賃の謎な部分までしっかり理解することもできますよ!
旅行の予定がある人はお得なきっぷの買い方がないか確かめてみてはいかがでしょうか。
乗車券分割の注意点
乗車券分割によってきっぷの購入代金を節約できればうれしいですが、注意点もあります。
長距離の乗車券には往復割引や有効期間の長さでなど、特有のメリットがあります。
旅行の際の行動によっては乗車券を分割せずに往復割引や有効期間を上手に利用したほうがトータルコストが安くなることも。
そこに新幹線と在来線特急の乗継割引を組み合わせたりすると、かなりお得な価格で旅を楽しめることも。
最近人気の寝台特急サンライズも乗継割引や往復割引が適用できる場合はお得な運賃で利用可能になります。
おそらく他の路線でも同じような方法でお得な乗り方は見つかります。
きっぷのルールはある程度知っておいて損はありませんね。
旅の準備作業の1つに「お得な乗車券探し」を加えてみると意外なところに新たな発見があり驚かされることもあります。
パック旅行を利用すれば手軽でお得な旅がいつでも楽しめますが、あえて自分で調べるひと手間を加えるのもオススメです。