京都嵐山の渡月橋から近い場所にあるこのホテルは、元々は「嵐亭」という有名な高級旅館やったんです。
それを森トラストはんが買取らはって、Marriottの中でもカテゴリー8というランクの高いホテルへと生まれ変わりました。
折角の京都ですから着物を着て行こうと思いまして、でもまだ9月ですさかいに暑いんです。
9月は単衣と決まってますので箪笥をひっくり返して探して慌てて着ました。
この時に締めた帯が椿の柄やったんですけど、のちにびっくりすることになるとは思いもしませんでした。
シャンパンディライト-茶寮 八翠にて-
ホテルへ着いたのは夕刻17時半を過ぎてたと思います。
すぐに暗なりました。
電車で行かはる場合は、近くの駅まで人力車えお迎えにきてくれはります。
すでに始まってたシャンパンディライトを愉しみにホテル内の「茶寮 八翠」へと急ぎました。
17:30から19:00にシャンパンの他、ビール・ワインなどが提供されます。
襟が左前に見えるのは自撮りのせいですので怖がらんといておくれやす。
お酒のお供に可愛らしいお菓子も出してくれはりました。
お部屋-プレジデンシャルコーナースイート-
お部屋は翠嵐で一番ええお部屋、301号室。
94㎡のプレジデンシャルスイートですえ。
最上階の角、渡月橋と保津川を望める方向にあります。
翠嵐のサイトの「ご宿泊」をクリックすると出てくる写真のお部屋です。
ライトアップされたお部屋を下から見上げると木が影絵のように映り込んで綺麗でした。
入ったらまず、京都らしい鰻の寝床みたいな廊下を抜けて・・・
(昔は間口で税金を取ったので、間口の狭い建物がたくさん残っています)
いやぁ素敵すぎですやん!
ウェットエリアがど真ん中で輝いたはるんです。なにこれどうなってんの。
珠玉のパウダールーム
このお部屋で特筆すべきはパウダールームです。
ガラス張りになってまして、どこから入ったらええのか迷うて頭ごっつんしかけましたけど、ものすご綺麗なんです。
向かい合わせになったダブルボウルのガラス細工がキラキラと輝いて、ほんに綺麗で雅です。
ボウルまで雅ですなぁ。うっとりしました。
手鏡は小さ-て舞妓はんが口紅ささはるのを想像しました。
和菓子みたいな袋に入ってるのは、出したら食べてしまいそうな、ゆずひのきのいい香の可愛らしい石鹸です。
漆塗りの玉手箱みたいなのを開けるとアメニティが入っています。 シャンプー類はヨーロッパ発の比較的新しいフレグランスのBYREDO。
露天風呂とか
このまま先にお風呂のご案内にしましょう。
広めのシャワースペースからさらに奥へ、外に出ると露天風呂があります。
天然温泉なんですよ。
確か嵐山温泉は35.2℃の低張性弱アルカリ性温泉です。
かなり加熱してあって44℃ぐらいありそうなお湯でした。
前もって言うといたらぬるめにしてくれはるでしょう。
あつぅ言うて入ったり出たり。ものすご気持ち良かったです。
銀食器はとてもラグジュアリーで、これでお紅茶を頂いたら美味しいですやろなぁ。
私にはどうしてもティファニーブルーに見えてしまう翡翠色のコーヒーカップもアクセントになってて美しいんです。
UXURY COLLECTION のロゴ入りのスリッパはふかっふかですえ。
紫のオットマンつきの椅子は、露天風呂からまわって直接お部屋に入ったところにあって、便利です。
リビングルームとベッドルーム
順番がおかしなってしまいましたが、リビングスペースとベッドルームのご紹介です。
白いソファに青のクッションが映え、カーペットは菫色、後ろにはガラス張りのウェットエリアがあるというのに、調度品や天井の木材と緑あふれる眺望が全てを調和させていて素晴らしいですね。
菫色と翡翠色の使い方が見事ですなぁ。
私が一番気に入ったスペースはここ、ソファの奥の角。
保津川と緑の眺望は美しくとても解放感があってええ感じなんです。
このテーブルとチェアがあるのがいいんです。
何枚も写真を撮りました。
ベッドルーム
こちらのお部屋は色味を抑えてシックでシンプルモダンな感じなんですが、クッションの柄がええアクセントになってました。
ベッドサイドのライトは灯篭のようにも見えますやろ。
晩ごはん-京翠嵐にて-
お食事は京翠嵐にてコース「錦繍」
品数が多く、和洋折衷でちょこっとずつええもんを食べられて、ワインが進みました。
ごちそうさんでした。
秋刀魚炙りの握り・チーズの粕漬け・栗のすり流しに雲丹を添えたん
土瓶蒸しに酢橘を添えたん(鱧・松茸・地鶏)
今年初めて食べた松茸は歯ごたえよく美味でした。
本日のお造り(大トロ・鯛) お茄子のお漬もん
海老のおじやココナッツ風味で
鮭といくらのタルタル仕立てに梨を添えたん
帆立の天麩羅にイカ墨の染め卸、南瓜のサラダを添えたん
ビーツのシャーベットと無花果とキャビアの最中仕立て
和牛、フォアグラ、大根、季節の茸のフリカッセと共に
すっぽんの出汁に生姜、九条葱をあしらったすっぽんそば
抹茶風味のクレームブリュレ
すっぽんは好きで昔はよう大市さんに連れてもろたんですけど、お蕎麦は初めて頂きました。
手前にあるのはジュレです。
季節のフルーツはドライアイスを仕込んだ器で出てきまして、玉手箱のようで息子がものすご喜んでました。
そしてさっき書いた帯の話ですが
この食事処に飾ってあるのも椿やったんです。まぁびっくりしました。
しっかり一緒に写真撮ってもらいましたえ。
そして朝、感動の嵐山
朝日の眩しさで目覚めました。
夜には見えへんかった素晴らしい景色がお部屋から望めます。
保津川がすぐそこに流れ、美しい菫色を施した切子のちょうど上辺りに渡月橋も見えます。
朝ごはん-京翠嵐にて-
朝ごはんを食べに行きましょか。
この廊下がまた雅でつい立ち止まってしまいました。 はぁここに住みたいと思いましたえ。
多種類のジュースとちょこっとずつのおかず、鮭の幽庵焼にスクランブルエッグ。
ちょこっとずつ綺麗に並べてあるところが京都らしいと思います。
総評
嵐亭のあとという事もあって、おべべまで着て期待して行った翠嵐。
素晴らしいモダンと雅の融合に大変感動いたしました。
「ホテルで温泉旅館」以上を味わえるんですね。
京都には和洋折衷のホテルがたくさんできました。
また一方では町家を改装して一軒ごと貸すスタイルも増えてきています。
どちらにせよ、日本の美しい四季と雅のなんたるかを体験できるところが増えるのはええ事ですなあ。