建築家ホテル行脚の旅へ【後編】

旅行に役立つ知識
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前編に引き続き、建築家デザインによる個性的かつデザイン性の高いホテルを紹介していきます。

今回は少し西に移動して素晴らしいホテルをめぐる旅とします。

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リバーリトリート雅樂倶 / 内藤廣 / 富山

ちひろ美術館や渋谷再開発計画の旗振りをおこない、建築教育者としての一面も合わせもつ内藤廣が増築設計をおこなった北陸のホテルです。


コンセプトは「数寄屋の繊細さとアジアの土臭さ」。

そのコンセプトを具現化する河川を望むPC(コンクリートブロックの一種)積みの荘厳なエントランスは雅樂倶の空間演出の特徴です。


十分な広さとスペックを備えた客室が、ひとつの物語のような滞在体験をかなえてくれます。


充実したライブラリーの他、館内にアートが至るところに散りばめられています。

絵画・オブジェ・陶芸が点在する館内。

そして一部の客室にはアート作品が配されています。


これは新館プレミアムスイート「響の間」にある中庭のアート。

鯉江良二の作品「みどり」は雪化粧。


雅樂倶には和と洋のレストランがあり、夕朝食も先端的フレンチと和食から選べます。

地元富山でとれる最高の食材を使った料理は良質。


アートと美食に触れることのできる雅樂倶。

駅からタクシーなど車で行く際は、ぜひ川沿いに上ってホテルまでアプローチするようオーダーしてください。


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MOGANA / 山口隆 / 京都

安藤忠雄の弟子でもある山口隆がオーナー夫妻のために設計した、二条城付近にそびえるスタイリッシュかつ和の風情をもつホテルです。


京町屋の細長い敷地をそのまま生かした建築プランと建築家特有のメタリッククールな素材感が空間の緊張感を保っています。


それとともに、世界中のホテルを見てまわったオーナー夫妻のセレクトによるハイセンスなアメニティや調度品、色とりどりの料理がクールな空間に温かみをプラスしてくれます。


エントランスから部屋に至るまで、山口隆特有のメタル空間にいざなわれていきます。


大人しい色彩でまとまった客室。

マテリアルを活かした演出を感じます。


ウェットエリアはモノトーンで潔く。

石の仕上げの対照がここにある「変化」でしょうか。


夕食は目にもうれしいototojetの仕出し弁当をオーナー夫人のリコメンドでいただきました。

手毬寿司など豊かなラインナップです。


2階のバーでは各種上質なリカーを取り揃えており、ダイニングのないこの宿で唯一他の宿泊者と語らえる場でもあります。


朝食のプレゼンテーションにもオーナー夫妻のこだわりが垣間見えます。


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瀬戸内リトリート青凪 / 安藤忠雄 /愛媛

SNS界隈では言わずと知れた、数々の受賞歴もつ安藤忠雄設計の傑作ホテルです。

インフィニティプールから瀬戸内海を望む象徴的なカットは、あらゆる情報媒体で見かけることができます。

もともと企業のゲストハウスだったこともあり、わずか10室程度の客室には十分すぎるくらいのパブリック空間とスパをはじめとした施設が用意されています。


奥に入ったレセプションでウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン手続きをします。

最上階の青凪スイートからはインフィニティプールと瀬戸内の風景が眼前に開けてきます。


青凪スイートはメゾネット仕様で上階の寝室とジャグジーつきの浴室はプライベート感が保たれています。


ただ窓先の移り変わる瀬戸内海の風景を眺めてるだけでも、一日が過ぎていきます。


プールに隣接したラウンジではシャンパンおよび各種ドリンクがサービスされます。

デザイン・アートブックも充実し、パーティー空間としても活躍しています。


支配人特製のDJブースも空間のアクセントに。

その他地下プール、サウナとわずか10室に対しては十分すぎる館内設備です。


もはやアイコンとなりつつある、インフィニティプールからのパースペクティブ(眺め)です。


夜は夜で、また違った顔を持つプールサイドです。

季節が合えば、またいつか泳いでみたいですね。


朝食はこちらのカウンターダイニングでいただきます。

狭い海と温暖な気候に育まれた瀬戸内の食材。

ここでの食事は瀬戸内を堪能することを意識した内容で構成されています。

最近では社会情勢も反映して、部屋食でのプランもありますね。


前編・後編に分けてお届けした建築家ホテル。

日本には小さく美しいホテルがたくさんあります。

これからも建築家による独立系ホテルが新たに作られるとの話もチラホラと耳にします。


個性豊かなホテルがふえることで、今までとは一新された「ホテル界の未来」が創られていくのでしょう。

建築家ホテル行脚の旅も、新たな目的地を探して続いていくことでしょう。