耽美文集

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東京発の最終列車

列車は午後10時に東京駅を発った。 西日本に向かう新幹線はすでに最終列車が発った後。 夜の静寂に包まれかけた東京駅を離れていく列車は分岐を渡りながらフランジ音を響かせていた。 少し走ると車掌のアナウンスが流れる。...
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花の絵

開業して間のないホテルは、その煌めきから幾多の人の憧れを呼んでいる。 誰もが一様に美しいホテルだと言うけれど、一体何がそんなに美しいのかを説明できる人は少ないのだろう。 大手町のホテルは広大な緑を楽しんで豊かだ。 ...
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Hotel-Story 1 Single or Not ?

朝食をすませ、チェックアウト前ベッドに横たわりながら過ごす一人の時間。 後ろでギィとガラスドアの開く音。 真っ白な脚をバスローブからのぞかせながらタオルで無造作に髪をくるみ、バニティからあらわれては猫のように僕の隣に転がりこむ...
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外京の迎賓館

 尊き諸仏が京の華やぎを知らぬ人々の祈りの対象となって久しい。  仏教公伝からしばらくして明日香から北に遷都を繰り返したのち、和銅3年に外京を備えた壮大な平城京が開かれることが宣旨された。諸仏の力で国を救おうとした帝の思いは当時の民...
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レースの向こう側

長い時間を過ごした10号車から降りて改札に向かう。 相変わらず人の多い構内を縫うように歩いて丸の内に出る。 もう少し行けば東京ステーションホテルの控えめな玄関に着く。 ほんの少しだけの雑踏体験もわたしには疲労に満...
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耽美文集の端緒

カランコロン… カランコロン… 牡丹灯籠という作品をご存じの方は多いだろう。 恋焦がれる女が幽霊となって男のもとを訪ねてくる怪談である。 牡丹灯籠の世界には純粋な愛情ではなく「死」と「エロス」が色濃く描かれ...