耽美文集

耽美文集耽美文集
耽美文集

花の絵

開業して間のないホテルは、その煌めきから幾多の人の憧れを呼んでいる。 誰もが一様に美しいホテルだと言うけれど、一体何がそんなに美しいのかを説明できる人は少ないのだろう。 大手町のホテルは広大な緑を楽しんで豊かだ。 ...
耽美文集

Hotel-Story 1 Single or Not ?

朝食をすませ、チェックアウト前ベッドに横たわりながら過ごす一人の時間。 後ろでギィとガラスドアの開く音。 真っ白な脚をバスローブからのぞかせながらタオルで無造作に髪をくるみ、バニティからあらわれては猫のように僕の隣に転がりこむ...
耽美文集

外京の迎賓館

 尊き諸仏が京の華やぎを知らぬ人々の祈りの対象となって久しい。  仏教公伝からしばらくして明日香から北に遷都を繰り返したのち、和銅3年に外京を備えた壮大な平城京が開かれることが宣旨された。諸仏の力で国を救おうとした帝の思いは当時の民...
耽美文集

レースの向こう側

長い時間を過ごした10号車から降りて改札に向かう。 相変わらず人の多い構内を縫うように歩いて丸の内に出る。 もう少し行けば東京ステーションホテルの控えめな玄関に着く。 ほんの少しだけの雑踏体験もわたしには疲労に満...
耽美文集

耽美文集の端緒

カランコロン… カランコロン… 牡丹灯籠という作品をご存じの方は多いだろう。 恋焦がれる女が幽霊となって男のもとを訪ねてくる怪談である。 牡丹灯籠の世界には純粋な愛情ではなく「死」と「エロス」が色濃く描かれ...