【必見】大原美術館は倉敷観光で外せないスポット

旅行にまつわる話
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白壁の街倉敷に異彩を放つ西洋式の建物、それが大原美術館本館です。

東京や大阪の大きな美術館とは違って小さな規模です。


西日本の地方都市の美術館ですから、大したものはないと思っている人もいるかもしれません。

しかし、ここ大原美術館は世界の名画を大量にコレクションしている美術館なのです。


そんな素晴らしい美術館がどうして倉敷にあるのでしょうか。

そして、大原美術館にはどんなものが収蔵されているのでしょうか。

今回は倉敷美観地区にある大原美術館について掘り下げてみます。

大原美術館ってどんな美術館?なぜ倉敷に?

大原美術館は国内外を問わず多くの旅行者にも注目される有名な西洋美術館です。

まずは簡単に大原美術館の歴史をお勉強してみましょう。


大原さんが作ったから「大原美術館」

倉敷は江戸時代から物流の拠点として栄え、幕府が直接治める天領でした。

古くから商売で財を成した商家があり、明治維新以降も大きな商家の「旦那衆」によって倉敷の近代化が進められてきました。


旦那衆の中でも最もリスペクトされる大資本家といえば、大原家です。


大原家は明治時代に倉敷で紡績事業を起こし、大原美術館や倉敷中央病院、資源植物科学研究所、労働科学研究所を設立して地域の文化学術と安全衛生に大きく貢献しました。

紡績事業の成功と輸出の拡大によって莫大な富を得た2代目社長の大原孫三郎氏は、こうした地域社会への積極的な還元を行った篤志家だったのです。


大原孫三郎氏と児島虎次郎氏

まだ無名画家だった児島虎二郎氏を支援し続けたのは大原孫三郎氏でした。


児島虎二郎氏のヨーロッパ渡航では費用を援助し、「自らの研究と日本にいる海外の名画を見る機会のない学徒の為に絵画を購入したい」との申し出があれば惜しみなく資金を提供したのは大原孫三郎氏でした。


児島虎次郎氏がヨーロッパで購入した絵画には、モネの「睡蓮」、エル・グレコの「受胎告知」などの有名な絵画があり、大原美術館に常設展示されています。


日本で最初の本格的な私立西洋美術館

大原美術館は、昭和5年(1930年)に設立されました。

児島虎次郎氏が病没した翌年のことです。


大原孫三郎氏は児島虎次郎氏が収集した海外の名画を展示し、広く倉敷の人々に公開することとしたのです。

児島虎次郎氏が収集した作品の多くは、今も大原美術館の展示作品の中核をなすものです。


マティスやゴーギャンの作品もあれば、東洋館に展示されている中国・エジプトの美術品もあります。

偉大な実業家であった大原孫三郎氏が残した大原美術館は、倉敷の人々と倉敷を訪れる人々に「本物の美術品」を惜しむことなく見せてくれます。


倉敷に来たら絶対見るべき大原美術館の価値

東京在住の方から「岡山は美術館がたくさんあっていいですよね」と言われたことがあります。


わたしは、「いやいや、東京のほうが素晴らしい美術館がたくさんあるでしょう」と返答しました。

すると、「大原美術館は東京から見に行く価値があると思います」と言われたのです。


ハッとしました。

いつでも見に行ける大原美術館。

私は年に数回足を運びますが、まさか東京から飛行機や新幹線で見にくるほどの価値があるとは思っていませんでした。


どんなに素晴らしい物でも、すぐそばにあったら「当たり前」になってしまうんでしょうね。


大原美術館のコレクションは古い絵画にとどまらず東洋美術や現代アートも充実しており、圧巻です。

また、本館や東洋館・分館といった建物群も意匠が凝らされています。


倉敷を訪れるなら大原美術館にも立ち寄って世界の名画と素晴らしい美術館建築を間近で鑑賞してみましょう!


大原美術館の収蔵作品は??

  • モネ  「睡蓮」
  • エル・グレコ 「受胎告知」
  • ゴーギャン 「かぐわしき大地」
  • ホドラー 「木を伐る人」
  • フレデリック 「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」
  • モディリアーニ 「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」

ここに書いたのはほんの一部です。

わたしが気に入っているのは「木を伐る人」です。

今にも斧を振り下ろしそうな勢いのある絵ですよ!


あと、「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」は圧巻です。

大原美術館の本館2階にあります。


見上げるので首が疲れますが、時間をかけて細部まで見てください。

神の怒りに触れた罰と、ハトがもたらす福音、そして復活です。


その他、ピカソの絵だってパッと壁に掛けてあります。

ちなみに、本館の入り口の両脇にはロダンの作品がありますよ!


芸術は無駄の集積

今の時代は封建体制や中央集権体制ではないので、「税金の使い方」にも細心の注意が必要です。

美しいものを作るために大金を使うことが許される時代ではないのです。


一般人が立派なお城や壮麗な宮殿をみて感嘆の声をあげるのは、それらが美しいからです。

でも、今の時代にそんなものを作ろうとしてもおそらく不可能です。

たとえば、二条城や迎賓館(赤坂離宮)って、作れると思います??

反対する人も多いでしょうから、作れないでしょう。

奈良の大仏様をもう一回作ろうとしても、きっと「政教分離違反だ!!」といわれるので無理です。


王権が強い時代の建物や美術品はとにかくお金のかけ方が半端ないため、出来上がりも半端なくすばらしいのです。

そして、そのころの「無駄遣いの集積」は歳月を経て「私たちが世界に誇る財産」となっているのです。


「富を文化に使うことの素晴らしさ」を体現する大原美術館

大原美術館が開館して90年です。

当初は近代西洋画と児島虎次郎の作品を展示していた大原美術館も、第二次世界大戦後にはコレクションを拡大します。

アメリカ、フランス、日本などの前衛的なアーティストの作品や日本人作家による近代洋画の収集にも取り組み、近現代美術の優れたコレクションを完成させています。

あわせて、棟方志功や芹沢銈介らに代表される民芸運動、古代オリエント美術に関するコレクションも拡大させています。


また、若いアーティストをサポートするために「アーティスト・イン・レジデンス事業」にも力を入れ、優れた作品が次々と生まれています。

北城貴子の《Reflection─muison-so─》という作品もこの事業の成果として有名です。


倉敷は旦那衆が街を盛り上げてきました。

その中で特に文化芸術に力を注いだのは大原家。

年月を経ても色あせないコレクションと新時代の芸術を合わせて楽しめる空間は稀有な存在です。


倉敷へお越しの際はぜひ大原美術館に立ち寄ってください。

美観地区周辺のすてきなホテルに滞在すれば、美術館と合わせ朝と夜の静かな倉敷の街並みを楽しむこともできます。

時間を気にせずゆっくり倉敷ステイというのもオススメです。



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この記事を書いた人

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