靴を紙やすりで削って修理するお話が常に人気を博しておりまして、ありがとうございます。
大切な靴が傷んでしまうと悲しいものです。
傷んでしまった靴を修理して長く愛用したいと考えていても、うまく修理する自信がない人もたくさんいるはずです。
この記事には「レザーコンシーラー」という便利な修理アイテムを活用するコツをまとめてあります。
この記事を読めば、大切な革靴を実験台にすることなく美しく革靴の色を補う方法を知ることができます。
大切に履いている革靴の修復だけでなく、カバンの修復にも応用可能なので参考にしてください。
レザーコンシーラーを使う理由
革靴の補色に便利なアイテムといえば、「レザーコンシーラー」と「レザーマニキュア」が有名です。
単なる傷隠しであれば、レザーマニキュアで簡単に解決できます。
しかし、私はあくまでもレザーコンシーラーによる補修・補色をおすすめしています。
以下に理由を解説します。
レザーマニキュアは強いけど割れる可能性がある
M.MOWBRAY エム.モゥブレィ レザーマニキュア+ ブラック
レザーマニキュアは革用の塗料です。
一度塗ればしっかりと補色でき、色落ちを心配することもありません。
靴クリームで補色しようとすると色落ちが発生するので、どうしてもキレイにならないとお悩みの人はレザーマニキュアを使って補色するのも有効です。
けっこう強力な着色力で、複数の色を混ぜて調合することもできますから便利なアイテムなんですよね。
しかし、レザーマニキュアには「曲げると割れる」という大きな弱点があるんです。
革靴のトゥなど屈曲させることがない箇所の補色なら、レザーマニキュアも便利です。
一方で、補色箇所が屈曲する所だとレザーマニキュアが剥がれ落ちてしまうおそれがあります。
普段意識することはありませんが、革靴は履いているとけっこう屈曲しています。
靴のアッパーにシワができるのも、履いているうちに靴が屈曲して酷使されているからです。
もし、そんな屈曲する所をレザーマニキュアで補色するとどうなるでしょうか。
きっと簡単に剥がれ落ちてしまいますよね。
レザーマニキュアの弱点って、かなり手痛いものなんです。
それに比べてレザーコンシーラーは靴クリームに近い使用感なので、曲がっても補修箇所が割れたりしません。
革靴は過酷な状況で使用されているものなので、補修する際は耐久性を意識しておかないといけませんよね。
耐久性を重視するなら「レザーコンシーラーを使って補色する」という選択が現実的です。
レザーコンシーラーで補色するコツ
レザーコンシーラーは靴クリームに近い感覚で使うことができます。
厚塗りする必要もありません。
深い傷ができている場合は紙やすりで削って革の表面を整えたあとに使用しますから、レザーコンシーラーで傷を埋めるような使い方をする必要はありません。
革靴の基本メンテナンスで使用する靴クリームと同様の使い方を念頭に対処すれば、とても美しく仕上げることができます。
作業の流れも至ってシンプルですよ。
レザーコンシーラーを使った作業工程
感覚は靴クリームと大して変わらないので、たったこれだけです。
- レザーコンシーラーを布に取り色落ち箇所に塗る
- 色落ち箇所に塗ったレザーコンシーラーをブラシで馴染ませる
- 周囲と馴染んだら1日放置して乾燥させる
レザーコンシーラーを使い始めたころはかなり厚めに塗っていました。
でも、厚塗りすると補色箇所が周囲に馴染まない色合いになります。
レザーコンシーラーを塗った上から靴クリームを塗って馴染ませていましたが、どうしても違和感は消えませんでした。
なぜ馴染まないのか考えてみると、理由はシンプルでした。
革靴の表面を平らに仕上げれば光り方が美しくなる
革靴のすり傷や色落ちを修復する際には紙ヤスリで表面を削ります。
ゴリゴリ削るのではなく、細かい目のヤスリで優しく平らに滑らかに削ることが大事です。
そうしないと革靴の表面がガッタガタになってしまうからです。
ヤスリで丁寧に削った後の革は周囲と高さが合っています。
でもそこにレザーコンシーラーを厚塗りするとどうなるでしょう。
厚塗りすると革靴の表面にはデコボコができてしまいます。
デコボコになると靴を磨き上げても水を張ったような均一な光沢感がでないんですよね。
これを解決するためには厚塗りをやめて革靴の表面を平らに仕上げ、磨き上げることが重要です。
布で塗るだけでなく、ブラッシングを行って周囲との違和感を可能な限り抑制することで仕上がりの美しさは段違いになるのです。
レザーコンシーラー使用上のコツをおさらい
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レザーコンシーラーを使って補色すれば、革靴は色を取り戻して長く愛用できる状態によみがえります。
美しく仕上げるためには次の点に気を付けて実践してみてください。
- レザーコンシーラーを厚塗りしない
- 周囲と高さを合わせる
- 塗りすぎたら馴染ませるorふき取る
この3点を意識しておくとデコボコな仕上がりにはなりません。
表面が平らになっていれば、靴クリームを使って磨き上げることで美しい光沢を再生できます。
さっそく修復に活かしてみてください。
そして、きれいになった革靴には日々のメンテナンスも忘れずに。
毎日のちょっとしたお手入れをサボると革靴はすぐにボロボロになってしまいますよ。