昭和レトロなプレザージュは絶妙にダサい高コスパ時計

知っておいても損しない話
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セイコープレザージュはここ数年でラインナップが充実してきた注目ブランド。

デザインはセイコーの「まじめ顔」ですが、絶妙な仕上がりで人気もジワジワ上昇中。

昭和を感じるセイコーを見ていると、「毎日豊かになっていった高度成長期」への憧れを抱かずにはいられません。


美しい時計は必ずしも高額とは限りません。

日本人の心のどこかに存在する美意識を呼び起こす絶妙にダサい昭和レトロ。

今の時代においては、これらも耽美な存在なのかもしれません。


プレザージュは適度にダサい時計

ラインナップは次の2つに分かれています。

  • ベーシック(←安くてお手軽)
  • プレステージ(←わりと気合の入った時計)

ベーシックとプレステージの違い

グレードが分かれていますがどちらも決して高級ではありません。

普段使いの時計として買いやすい価格設定となっています。

ベーシックでは4万円から8万円、プレステージでは8万円から50万円くらいの時計が用意されています。


2つのグレードで最も大きな違いは「時計の質」です。

ベーシックではシンプルな機械を搭載した時計が中心。

そして文字盤の材質やケースの仕上げも特に特殊なものは見受けられません。

「ベーシック=大人しく仕上がった普通の時計」という印象です。


プレステージでは精度を高めた機械やクロノグラフを搭載した時計が中心。

文字盤の材質やフォントデザインにも個性が出ており質感も高いです。

「プレステージ=上質な遊びを楽しむ時計」という印象です。


どちらも100年以上にわたって機械式腕時計を製造してきたセイコーの技術が惜しみなく注ぎ込まれており、良心価格で高品質な時計であることは折り紙付きです。


デザインがちょっとダサい

他方で、海外メーカーの美しく完成されたデザインの時計。

ロレックスやオメガなどの海外時計に憧れる人はとても多いですよね。


セイコープレザージュのデザインは、残念ながらダサいです。

海外時計のようなセクシーさは微塵もなく、とにかく真面目な印象です。

とうしても昭和の高度経済成長期から大きく変わらないデザインに思えてなりません。


しかし、セイコープレザージュは「ダサいデザイン」が魅力とも言えます。


海外時計にはない「真面目なデザイン」はセイコーの顔。

シンプルで野暮ったいセイコーの顔は、ドイツのバウハウスデザインとはまったく異なる日本的なデザインと言えるのです。


プレザージュは控えめな価格設定でコスパ最強

プレザージュの主な特徴はこんな感じです。

  • ムーブメントは自動巻き
  • シンプルな3針からクロノグラフまで取り揃えている
  • 安心の国内製造←これは地味にスゴイ

特徴点のなかで「国内製造」という部分は大事です。

海外の高級時計では自社一貫製造の時計を「マニュファクチュール」といって高付加価値で販売されることもしばしば。


セイコーは昔から自社一貫製造。

セイコーは最高級品だけではなく、安い時計もマニュファクチュールです。

プレザージュの価格帯でそんなことができるのはセイコーの良心。

丁寧な仕事を低価格な時計にも注ぎ込むあたりが日本人的な美徳を感じさせます。


グランドセイコーとプレザージュの精度の違い

価格に大きな違いのあるグランドセイコーとプレザージュですが、時計の正確さではどの程度の差があるのでしょうか。

それぞれのムーブメントを簡単に比較してみましょう。


  • グランドセイコー9Sメカニカル

   平均日差は+5秒から-3秒

  • プレザージ4R

   平均日差でも+45秒から-35秒。



機械式時計に正確性を求めると高価格になってしまいます。

もちろんムーブメント自体の調整にも個体差があると思われるので、4Rでも時計屋さんで微調整してもらえばさらに精度が上がるかもしれません。

しかし、毎日秒刻みの生活でもいない限り、1分以内の誤差は許容範囲ではないでしょうか。


1秒でも遅れるのが許せないという人は機械式腕時計を使用すること自体がオススメできません。


機械式時計は絶対に誤差が生じます。

これは仕方がないこと。

機械式時計を使うということは、「時間を合わせる作業」を楽しむことであり「不正確」であることを許容することです。



プレザージュが評価される3つのポイント

きわめて正確とはいえませんが、普段使いには十分な性能をもっているプレザージュ。

国産機械式腕時計を手に入れたいと考えている人にはおすすめです。

ここからはプレザージュが地味に評価されている3つのポイントを解説しておきましょう。


プレザージュはお手頃価格

価格と品質のバランスが一番大事です。

時計の仕上がりは価格相応のものです。

すべての部品を自社生産しているセイコーの機械式腕時計がたった5万円程度で手に入るならお買い得といえるでしょう。


きっとセイコーは真面目なのです。

価格を抑えた時計でも手を抜かず、できるかぎり良いものを作ろうと努力しているようです。


良心価格のプレザージュなら、タイプの違う時計を何本か所有して楽しむこともできます。

1点豪華主義の時計も魅力的ですが、手ごろに買える高品質な時計を使い分ける方が美しい装いになる気がします。

ビジネス・アウトドア・スポーツ・セレモニー…。

TPOに合わせて時計を使い分ける行為は実に豊かな演出です。

最適解を導くセンスがあれば、そこはかとなく上品な装いを作りあげるのは難しくないのです。


プレザージュのデザインは絶妙

セイコープレザージュは基本的に3針モデルが中心。

プレステージだと文字盤に琺瑯や有田焼といった特別な素材を使ったモデルも用意されています。

伝統的な材質を使用したモデルはクラシカルな印象。

セイコー特有の真面目なデザインとマッチして腕元を上品に演出することができます。


ベーシックだとセイコー特有の野暮ったさがにじみ出てきます。

しかし、しばらく見ていると不思議と目が慣れてきて違和感が薄れていきます。

20代前半の人にはハードル高いかもしれません。

「おじいちゃんの時計」みたいな昭和レトロのデザインは腕元に絶妙なダサさを演出することができます。


他人とかぶらないから「普通なのに個性的」

プレザージュはネットや量販店で安売りされがちな時計です。

しかし、着用している人はあまり見かけません。


ロレックスやオメガやブライトリングなど、デザインもかっこ良くて高級なイメージが定着している時計だと年代を問わず人気があります。

人気があればあるほど、他の人とかぶりやすくなります。


どんなにいい時計でも、同じモデルを着用している人に遭遇すると気まずくなります。

オメガのスピードマスターは人とかぶることがありますが、セイコープレザージュのクロノグラフだったら基本的に人とかぶりません。


プレザージュのクロノグラフは海外メーカーのクロノグラフのようなセクシーさは持ち合わせていません。

SEIKO PRESAGE SARK013 プレステージライン ほうろうダイヤル

しかし、よく見れば丁寧に作ってあります。


時計は個性を示すことのできるアイテムです。

みんなが付けている時計もカッコいいですが、渋いところを突いてみると簡単に個性を表現することができます。

プレザージュは悪目立ちする時計ではないので、ファッションアイテムとしても嫌味がなく使い勝手のいい時計なのです。


時計を使い分ける人はオシャレ

時計は決して安い買い物ではありません。

高級時計を何本も所有しようとすれば、それなりに資金が必要です。


いろいろな時計を使い分けてみたいと思っていても実現するのは難しいのです。

そのためTPOに合わせて時計を使い分ける人はきわめて少数です。

手の届きやすいプレザージュならどうでしょう。

小さな投資で複数の時計を使い分け、どんな場所にも美しく装って出かけられるようになるでしょう。


仕事モードでフォーマルに決めるならシンプルな3針時計に革バンド。


SEIKO PRESAGE SARX049 プレステージライン ほうろうダイヤル


メタルバンドでちょっとスポーティーに。


SEIKO PRESAGE SARW043 プレステージモデル


過ごす時間や空間に合わせて時計を変えていくと、自分自身の雰囲気と気持ちに変化を加えることができます。

仕事ではスーツを着ていても、休日のアクティビティではカジュアルな服を着るでしょう。

レストランでお食事ならスマートカジュアルな服を着るでしょう。


高級腕時計には手が届かなくても、実用的な道具として有能な時計です。

それ以上にプレザージュは装いを美しく演出する力を持っています。


ただ美しく暮らすために。

プレザージュをコレクションする行為も耽美な時計の楽しみ方なのです。

手の届くところにある美を求め、仕事にもプライベートにもそっと品格を添えることができるような気がします。



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