家を現金で買うのは基本的に無理です。
「お金を貯めてから家を買おう」と考える人はほとんどいません。
大多数の人は「住宅ローン」という途方もなく大きな借金を背負い、マイホームを購入するのです。
しかし、住宅ローンには大きな問題が潜んでいます。
一歩間違えば住宅ローンが返せなくなり破綻することもあるのです。
もしかしたら、あなたも返せなくなるかもしれません。
今回は住宅ローン地獄に落ちやすい人の特徴を掘り下げます。もし当てはまっている場合は対策を考えていくことをおすすめします。
頭金0円で家を買った人は払えなくなる危険性あり
家を買うときに重要なのは資金計画です。
大きな買い物なので、絶対に衝動買いしてはいけません。
家を買うなら数年単位で準備を進めておくのが基本。
しかし、ひまつぶしにモデルハウスを見に行って「買っちゃおう!」なんて言う人もいます。
こういう人は完全に衝動買いなので無計画すぎてキケンです。
住宅を購入するなら頭金くらいは準備しておいてほしいですね。
住宅購入の頭金がないと返済金が苦しくなる
頭金は住宅購入に使うことを目的に貯めた預貯金のことです。
十分な頭金があれば「住宅ローンの借入額」を減らすることができます。
住宅取得にかかる費用は購入する土地や建物によって変わりますが、頭金は購入価格の1割を目安に準備しておくべきです。
住宅ローンは借入額が多くなるほど毎月の返済金額が多くなり、返済終了までの利息負担が膨らみます。
頭金が多ければローン利用額を減らすことができ、毎月の返済金額や返済終了までの利息負担を抑えることができるのです。
頭金をまったく用意していない人は、住宅ローンの利用額が確実に大きくなります。
そして、返済金額も大きくなります。
数年後に金利が上昇すると、返済金額はさらに跳ね上がります。
今までの暮らしで頭金を準備する余裕がなかったのであれば、住宅取得にあわせて「将来の返済金額増加などのリスクをイメージした資金計画」を描き、手元の預貯金を増やしていく習慣を作る必要があります。
もし、無計画に対応していると高い確率でお金が底をついてしまうので要注意です。
「共働き」でも収入が減ると払えなくなる危険性大
最近は夫婦共働きでお金を稼いでいる家庭も当たり前になってきました。
年齢層が高い夫婦だと専業主婦が当たり前だったようですが、若い世代では専業主婦は少数派ですね。
働く人が1人しかいないよりも2人いたほうが所得は増えます。
昔のようにお父さんの給料が確実に増える時代ではないので、お母さんも正社員でバリバリ働いたほうが断然有利です。
共働きならお父さんの収入がちょっと少ない場合でも、お母さんの収入と合わせて「家庭の収入」をベースに審査してくれる「収入合算」という取り扱いも可能になります。
「収入合算」で審査すると確実に無理なローンになる
共働きだと単純に所得が増えるだけでなく、住宅ローンの審査にも「収入合算」で対応できるため利用可能額を増やすのに役立ちます。
しかし、「収入合算」により審査すると後から痛い目に遭うことがあります。
もし夫婦のどちらかが退職してしまったら、住宅ローンの返済はすぐに厳しい状態になってしまいます。
子どもの成長に合わせてお母さんが正社員を辞めてパートタイマーで働くようになったとしても、返済金を毎月準備できるでしょうか。
お父さんの年収はお母さんの年収減少分をカバーできるほど増加する見込みがあるのでしょうか。
住宅ローンの審査を受ける時は「将来も夫婦で働くから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、未来のことは誰にもわかりません。
住宅ローン返済と並行して将来の収入減少に備えた預貯金を準備することができれば、収入が減少しても持ちこたえることができるでしょう。
しかし、預貯金ができないようなら安易に収入合算で住宅ローンを利用するべきではありません。
「収入合算」は「住宅ローンを最大限まで借りるため」の制度ではありません。
家計収支をしっかりと見つめながら「将来に備えた預貯金とローン返済を両立させるため」に利用するのだということを覚えておきましょう。
住宅ローンのことしか考えない人は必ず返済に困る
住宅ローンをまじめに返すのは当たり前のことですが、当たり前のことに全力投球しすぎると大変なことになる可能性があります。
家を買いたいという気持ちが強すぎると、借入希望金額の満額を借りたいと考えるようになります。
返済金額と収入のバランスや他社ローンの利用状況に問題がなければ、一般的に住宅ローンの利用は可能です。
しかし、希望金額を全額利用すると生活がどの程度圧迫されるのかを正しく予想している人はほとんどいません。
大きなローンを借りることが悪いとは言いません。
しかし、借りたお金は長い年月をかけて返済し続けないといけないのです。
もし、途中で苦しくなっても返済プランの見直しや支払猶予などの措置がどれくらい認められるのかは未知数です。
目先の希望額も大事ですが、長い年月にわたって返済を続けることができるか否かが一番大事です。
このことは住宅業者も金融機関も十分わかっています。
良識ある住宅業者や金融機関なら、過度な借り入れとならないように融資可能額と返済可能額の違いを説明したうえで一定の範囲内に収めるようにストップをかけてくれるでしょう。
しかし、住宅業者は少しでも多くのお金を使ってもらいたいですし、金融機関は少しでも多くのお金を借りてもらいたいのです。
住宅ローンは借りたら終わりではない
住宅ローンは家族が仲良く暮らす場所を手に入れるために利用するものです。
家族がいつまでも幸せに暮らすには、住宅ローンの返済以外にも必要になるお金のことも考えておかないとダメですよね。
「できるだけたくさん借りたい」という考えは絶対に持ってはいけません。
実力以上のローンを背負うと、返済はかなり過酷なものになるでしょう。
返済が苦しくなると、預貯金は絶対に増えません。
もし預貯金ができなかったとしても、子どもは成長して進学するでしょう。
住宅のメンテナンスも必要になるでしょう。
そして、いずれは自分自身が年老いていくのです。
目の前の「住宅購入」だけにスポットを当ててしまうと、確実に将来が不幸になります。
「住宅取得を考えるということ」は「これからどんな人生を送りたいか」を考えることと同じです。
お金のことは決して安易に考えてはいけません。
住宅業者や金融機関ではなく直接利害関係のない立場の人に相談してみることをおすすめします。
お金の失敗は後で相当響くものです。
自分自身が納得できるまでしっかりと考えてみてはいかがでしょうか。
すでに失敗してしまった人は傷を最小限にとどめて再スタートすることも大切です。
わたしたちは何が起きるかわからない時代に生きています。
予測可能なことはしっかりイメージして、リスクを最小化していくことが大切です。
自分の実力を見極めて無理のない暮らしを続けるのが、幸せの基本だということを忘れてはいけません。