革靴は見た目以上に汚れています。
履くと汗やほこりが染みついてしまうので、お手入れをしていても汚れが蓄積していくのです。
汚れがしみこんだ革靴を放置していると雑菌やカビが繁殖して不衛生です。
革靴を清潔に保つためには思い切って水洗いをおこなうのも効果的。
水濡れ厳禁というイメージが強い革靴ですが、注意点を確認すれば大丈夫です。
サドルソープを使った丁寧な水洗いで徹底的にリフレッシュさせてみましょう。
革靴は水洗いできるけど要注意
革靴の材料は「革」です。
革にはいろんな種類があります。
- 牛や馬、爬虫類といった動物の違い
- 染め方の違い
- 表面処理の違い
革の材質や染め方、表面処理の方法によっては水濡れ厳禁の場合もあります。
マダラ模様のシミや、革の硬化・ひび割れ、色落ち・色移りするといったトラブルが生じるのです。
深刻なダメージを受ける場合もあるので取扱いには注意が必要です。
ビジネスシューズでよく使われる「カーフ」なら表面がスムース。
水洗いしても大丈夫そうな革です。
一方、スエードは表面が起毛加工されているため、シミやムラになりやすく水洗いするのはたいへん危険な革です。
「どんな靴でも水洗いできるわけじゃない」ということは覚えておくようにしましょう。
革靴を水洗いするメリット
革靴は履くたびにホコリや汗、空気中の細かな汚れ、太陽光などの刺激にさらされています。
徐々に蓄積していく汚れの多くは水に溶けやすい汚れ=水溶性です。
ホコリや汗・塩分のような水溶性の汚れは靴磨きではうまく落とせません。
革靴に長年蓄積した水溶性の汚れがある場合は「水洗い」が効果的です。
革靴を水洗いすることで、革靴に付着したホコリだけでなく革の奥に染み込んだ汚れも落とすことができます。
水洗いが効果的な例を挙げると、こんな感じです。
- 雨でシミができてしまった時
- 革靴の表面に白い粉(塩分)が吹き出てきた時
- 長期間履いていて靴に汗がしみ込んでいる時
- 靴に清潔感がなくなってきた時
- 革靴の履きシワが深くなってきた時や型崩れがひどい時。
サドルソープの石鹸成分と栄養成分により汚れや雑菌を除き適度な保湿も施せるため、靴のリフレッシュに効果的です。
革靴を水洗いする手順
革靴の水洗いには特に難しい工程はありません。
簡単な流れはこんな感じ。
- 大きな汚れを落とす
- 水に浸ける
- サドルソープで洗う
注意点は「力を入れすぎないこと」です。
水に濡れた革に力をかけすぎるとダメージを与えてしまいます。
丁寧に扱うように心がけましょう。
ブラッシングで靴全体の汚れ落とし
水洗いの前にブラッシングで靴全体の汚れを落とします。
革の表面やコバに付着したホコリを払い落すイメージで、優しくブラッシングしましょう。
ホコリを落としたらステインリムーバーを使って靴クリームを落とします。
ステインリムーバーをよく振って柔らかい布に数滴染み込ませ、靴をなでるように拭いていきます。
布に汚れが移ってくるので布のきれいな部分を使うようにしましょう。
ここでも力を入れすぎないようにしましょう。
革靴を思い切り水に浸ける
表面に付着している汚れとクリームを落としたら、いよいよ革靴を水に浸けます。
まずバケツに水を汲みます。
そして、そこに靴全体をドボンと浸けます。
靴全体がまんべんなく浸かるようにしましょう。
しっかりと水を染み込ませないとシミやムラの原因になるので注意が必要です。
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革靴を石鹸で洗う
水に浸けたら革靴専用の石鹸を使って洗浄します。
今回使うのは、モウブレィサドルソープです。
この石鹸はスムースレザー専用に作られています。
革靴だけでなくカバンを洗うこともできます。
雨シミ、汗が原因で皮革内部に残った塩分をきれいに落として清潔な状態を保つことができます。
また、サドルソープにはロウなど革を保護する成分が含まれており、ボディーソープやハンドソープに比べて革に優しい仕様です。
大切な靴のメンテナンスなので、保護成分の有無は重要です。
実際の洗い方はこんな感じ。
- サドルソープを適量スポンジに取り細かく泡立てる
- 靴全体を細かく円を描くように優しく洗う
- 靴全体を泡で優しく包み込んだら軽く水で流す
- 乾いたタオルで水分を取る
終始力を入れすぎないように気を付けてください。
また、タオルで拭いても水分はすぐに取れません。
完全に乾燥するまで風通しのよい日陰に干しておきましょう。
ある程度乾いたら型崩れを防ぐためにシューキーパー(プラ製)を入れておきましょう。
シューキーパーがない場合には新聞紙を詰め込んでおいてもいいでしょう。
革靴を乾かしたらアニリンクリームで磨き上げ
靴が完全に乾燥したら仕上げに「靴磨き」をおこないます。
サドルソープで洗った革の表面は汚れが落ちて清潔になっています。
革靴は「すっぴん状態」になっているので、しっかりと栄養分を補っておく必要があります。
デリケートクリームで集中保湿
アニリンクリームでも革に栄養を与えることはできますが、水洗い後は集中保湿が必要。
なのでデリケートクリームを使ってケアしておきましょう。
デリケートクリームの主成分はラノリン。
羊の毛に付着している分泌脂質(羊毛脂:ウールグリース)を精製したものです。
かなりさらっとしたクリームなので革の奥深くまで吸収されていきます。
モウブレイ デリケートクリームは少し高めですが、保湿成分を革の奥までしっかり浸透させたい場合には効果的です。
仕上げはいつものように靴磨き
アニリンクリームを少量布に取り、靴全体に薄く伸ばしていきます。
その後仕上げ用の靴ブラシを使って靴全体を丁寧に磨きます。
仕上げ磨きの時にはブラシを手早く動かして、表面を摩擦しておきます。
摩擦の熱によってクリームの油分が潤滑になり、革靴に浸透しやすくなります。
ブラシをグリグリ押しつけながら磨き上げてはいけません。
革をマッサージするように丁寧に磨き上げましょう。
靴全体を磨き終えたら、トゥの部分にもう一工夫。
古いストッキングを使ってトゥを磨き上げましょう。
靴のつま先がピッカピカになっていると見違えるように美しくなります!!
革靴丸洗いのまとめ
革靴の水洗いはタブーだと思っている人も多いですが、意外に簡単です。
天然素材の特性を理解して正しいケアを心がければ大丈夫です。
靴は清潔な状態にしておかないと悪臭やカビが発生するおそれも。
そんな悲しい事態が起こらないように、必要に応じて集中メンテナンスを施すことも大切です。
大切な靴をいつまでも「お気に入りの一足」として愛用するために、水洗いに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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