紙ヤスリで革靴のすり傷や色落ちを修復する方法|高リスク非推奨

知っておいても損しない話
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革靴を履いているといつの間にか「すり傷」や「色落ち」で痛んでしまいます。

お気に入りの靴が傷んでしまったら、悲しいですよね。

ずっと大切に履き続けたいと思っても、深いすり傷や色落ちがあると履けません。

誰でも一度は「元通りに修復したい!」と思ったことがあるはずです。


だいたいの人は思うだけでですが、わたしはチャレンジしてみました。

捨ててしまうくらいなら、やってみてもいいんじゃないでしょうか。

悲しいほど傷んでしまったマグナーニの革靴を修復する様子をご紹介したいと思います。


タイトルにもありますが、高リスクなので非推奨です。

ちょっと勇気が必要ですが、コツをつかめば黒色や茶色などの色を問わず「すり傷や色落ちで痛んだ靴」を再生することができます。


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革靴のすり傷・色落ちの修復に使うもの

革靴のすり傷や色落ちの修復と聞くと、難しそうに感じるかもしれませんね。

しかし、大した技術は必要ありません。大した道具も必要ありません。

絶対に必要なのは勇気です。

  • 1000番手以上の紙ヤスリ
  • ステインリムーバー
  • レザーコンシーラー
  • アニリンクリーム
  • シューケアセット(ブラシや拭き上げ用の布)

今回はベーシックなお手入れでは直らないすり傷や色落ちを「紙ヤスリ」で削ってよみがえらせるという「禁断の手法」を実践します。

紙ヤスリは絶対に1000番手以上を使ってください。


「紙ヤスリ」は絶対に1000番手以上を使用する

革靴の美しい輝きを取り戻すために革の荒れた個所を削り取る作業をおこないます。

すり傷や色落ちを修復するために勇気をもって紙ヤスリをあてていきましょう。


使用する紙ヤスリは絶対に1000番手以上の細かいヤスリにしましょう。

目の粗い紙ヤスリを使うと革の表面が深く削り取られて傷だらけになってしまいます。

修復どころか破壊行為になってしまうので注意してください。


「ステインリムーバー」でしっかり汚れを落とす

ステインリムーバーは靴の表面についた汚れを浮かせてふき取るために必要です。

スキンケアと同じように革靴も表面に付着した汚れを落とし、潤いと栄養を補う作業が必要です。

ブラシで払うだけでは取り切れない汚れもしっかり落ちるので便利です。

潤いや栄養が不足すると、革靴はどんどん痛んでいきます。

靴クリームを塗り重ねてしまわないように、ステインリムーバーを使って汚れと一緒に余分な油分も落としておきましょう。


汚れと油分がしっかり落ちていれば、新しく塗り込んでいくクリームも浸透しやすく、革を美しくしなやかな状態に保ちやすくなります。


「アニリンクリーム」で栄養補給

革に潤いと栄養を与えながら透明感のある自然な光沢を与えます。

とくに新品の靴には、履く前の最初のメンテナンスとしてアニリンクリームを塗ることをオススメします。


このアニリンクリームは無色なので靴の色を問わず使える優れもの。

アニリンカーフ等の繊細な皮革靴に使用可能なソフトレザー靴用栄養クリームです。

靴磨きの最後に拭きあげると、靴全体が柔らかな光沢に包まれて美しさが増しますよ!


「レザーコンシーラー」は削った部分の補色に使う

革製品のキズ補修・補色に使うのが「レザーコンシーラー」です。

丁寧に塗っていきばすり傷や色落ちのあった部分をきれいに補色することができます。


着色力強めですが完全に乾かないとすぐに落ちます。

乾く前ならステインリムーバーで簡単に拭き取ることができるので、ちょっと失敗しても大丈夫です。


カラーバリエーションも豊富なので茶色やベージュ系の革靴にも対応可能。

この基本的なメンテナンスがわからないと、革靴をヤスリで削って修理したところで再び傷だらけになってしまいますよ。


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革靴にヤスリをかけて補色・修復する手順

ここからは革靴をゴシゴシ削って色落ちを直す作業手順の説明です。


汚れ落とし

最初にブラシを使って表面に付着したホコリを落とします。

強くこすらず、払うように優しくブラッシングしましょう。

ホコリを落としたら、前回のメンテナンスで塗った靴クリームを落とす作業です。
靴に施したお化粧を落としてすっぴん状態に戻すイメージですね。

モゥブレィ ステインリムーバーをよく振って柔らかい布に数滴染み込ませ、靴をなでるように拭いていきます。

布に汚れが移ってくるので、汚れたら布のきれいな部分を使うようにして、全体の余分なクリームを落とします。

ここでも力を入れすぎないようにしましょう。

汚れを落とした状態がこちら。

この写真ではわかりづらいですが、つま先の部分は左右ともかなり色が落ちています。


紙ヤスリで革靴を削る

つま先の擦り傷・色落ち、かかとの色落ちを一度に修復するため、傷の深い部分には紙ヤスリをかけていくことにします。

紙ヤスリで削る行為は「靴の表面を傷つける行為」なので相当な覚悟を持って臨みましょう。

一度失敗すると、取り返しのつかないことになるので自己責任でチャレンジしてください。


大きな傷を目立たなくするには、革の表面を削って高さや質感を合わせることが大切です。

削りすぎないように1000番手以上の細かい紙ヤスリを使い、慎重に作業を進めることを推奨します。


で、ビビリな私が紙ヤスリを使って削ること1時間。

写真のように問題箇所を削り終えました。
少し白っぽくなっている所が削った部分です。

少し気になっていた履き皺も削っておきました。


長年の使用で付いてしまった深い履き皺も、表面を少しだけ削りとり周囲と高さを合わせてやることで目立たなくすることができます。

削り終えたらブラシで削りカスやホコリを掃い、ステインリムーバーで優しく拭いておきましょう。


レザーコンシーラーによる補色作業開始

神経質な作業が終わればゴールは目前です。

今度は色が落ちている部分に補色していきます。


この作業のために購入したモゥブレィ レザーコンシーラーの出番です。


補色作業ではレザーコンシーラーを塗りすぎないように、綿棒で少しずつ革靴に乗せていきましょう。

ちょっとずつ塗りながら傷をまんべんなく補修していく作業はむちゃくちゃ地道です。


布を使って塗りこむこともできますが、特に傷が深い部分には綿棒を使って十分押し込み、周辺と高さをあわせておく必要があります。

塗り込み作業が終わったら、柔らかい布を使って補色したい部分にレザーコンシーラーを塗っていきます。

 

色落ち箇所にもレザーコンシーラーを少量とって柔らかい布で塗りこんでいくと、こんな感じになりました。


レザーコンシーラーの説明書には、塗ってから10分程度はリムーバーで落とすことが可能と書いてあります。

もしレザーコンシーラーの扱いに失敗しても、10分以内ならステインリムーバーで拭き取ればOK

落ち着いて作業を進めましょう。


なお、確実に定着させるために6時間程度必要と書いてあります。

きっちり6時間は乾燥させてあげましょう!


アニリンクリームで磨き上げ

補色作業終了から6時間経過。
レザーコンシーラーが乾いたのを確認して仕上げを行います。


アニリンクリームを使って靴全体に養分を補給し、美しい光沢を引き出す作業です。

アニリンクリームを少量布に取り、靴全体に薄く伸ばしていきます。

次に靴ブラシを使って靴全体を丁寧に磨きます。


仕上げ磨きの時にはブラシを手早く動かして表面を摩擦します。

摩擦熱によってクリームの油分が潤滑になり、革靴に浸透しやすくなります。

ブラシをグリグリ押しつけながら磨き上げると革が痛んでしまいますから、優しく丁寧に力を入れすぎないように注意しましょう。


仕上げはストッキングで磨き上げ

最後は古いストッキングなど細かい繊維でできた布を使って磨き上げます。

細かい繊維で磨くことでピカピカになります。

ここまで仕上がれば傷んだ靴も美しくよみがえりますよ!


靴には細かいお手入れが必要

靴は足元を彩る最大のおしゃれ要素です。

良い靴を履き、細かく手入れして、いつまでも履き続けることができれば素敵ですよね。


靴は使い捨てじゃないのでちょっと良い靴を買って修理しながら履いたほうがコスパが良かったりします。


毎日とは言いませんが週に1回、いや2週間に1回でもいいので靴をキレイに磨いてあげましょう。

そして、深く傷ついた靴をあっさりと捨てるのではなく、どうすればまだ履けるかを考えてみてください。

ひどく汚れてしまったら水洗いだってできます。


今回紹介した方法はリスクが高いです。

大切な靴をいつまでも美しく保つためには、日ごろのメンテナンスが不可欠なのはいうまでもありません。

捨てるくらいならという思いでチャレンジした修理でしたが、改めて良いものを長く使うためには地道なメンテナンスが大切だと痛感しました。

みなさんんが適切なケアで靴を長く愛用してくださることを願っています。

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