【紙ヤスリ】革靴のすり傷や色落ちを自宅で修復する方法

知っておいても損しない話
この記事は約11分で読めます。

革靴を履いていると気が付かないうちに傷や色落ちで痛んでしまいます。

お気に入りの靴が傷んでしまったら、悲しいですよね。

まだまだ大切に履きたいと思っても、深いすり傷や色落ちがあると履けなくなってしまいます。

大切にしている靴なら、「どうにか元通りの美しい状態に修復したい!」と思うのは当然です。


今回は私が実際にやってみた革靴を修復するための少し思い切った修復作業の様子を紹介します。

でも、傷だらけの革靴を修理する方法が思いつかないって人も多いですよね。

そこで今回は、私が所有する靴のなかでも割と高級な「マグナーニ」の革靴についてしまった傷や色落ちの修復作業をご紹介したいと思います。


この記事を読めば、すり傷や色落ちで痛んでしまった靴も見違えるほど美しく修理することができます。


ちょっと勇気が必要ですが、コツをつかめば黒色や茶色などの色を問わず「すり傷や色落ちで痛んだ靴」が美しくよみがえりますよ!

革靴のすり傷・色落ちの修復に使う道具

革靴のすり傷や色落ちの修復と聞くと、難しそうに感じるかもしれませんね。

しかし、大した技術は必要ありませんし。

また、道具も全然大したものは必要ありません。

こんな感じのベーシックなお手入れセットに「紙ヤスリ」があれば基本的に大丈夫です。


色落ちした部分に補色する作業は普段のメンテナンス道具だけでは対応できません。

今回はベーシックなお手入れでは直らないすり傷や色落ちを「紙ヤスリ」で削ってよみがえらせるという「禁断の手法」を実践します。


傷や色落ちで汚くなった革靴は削ればいいでしょって話です。

技術や道具は大して必要ありませんが、大切な革靴を削るという「悪魔のような行為に手を染められるか」が最も重要です。

「紙ヤスリ」で大胆かつ繊細に削る

靴の表面を削り、革靴の美しい輝きを取り戻すために「ヤスリがけ」を行います。

革靴を削る行為はとても勇気がいることですが、大切な靴に付いたすり傷や色落ちを目立たないように修復するために思い切ってやってみましょう。


革靴の補修に使うヤスリは目の細かいもの(番手という数字が大きいもの)にしないとダメです。

もし、目の粗い(番手が小さいもの)を使ってしまったら、革の表面が深く削り取られて傷だらけになってしまいます。


絶対に1000番手以上の細かいヤスリを使うようにしましょう。


1000番手以上の紙ヤスリを使うと、革の表面はちょっとずつしか削れません。

ちまちまと削っていく作業なので、時間がかかります。

しかし、荒いヤスリを使って削ると大切な靴を必要以上に削ってしまい、取り返しがつかない状態にしてしまうことも。


どんなに面倒でも1000番手以上の細かいヤスリを使用して、地道にすり傷や色落ちで痛んだ部分を削ってください。

「ステインリムーバー」で汚れ落とし

ステインリムーバーは靴の表面についた汚れを浮かせてふき取るために必要なアイテムです。


人間のスキンケアでも優しく汚れを落として保湿・栄養分を補給しますよね。

革靴も表面に付着した汚れを落として潤いと栄養を補充する作業が必要なのです。

革靴は天然素材なので、お肌の手入れと同じ感覚でメンテナンスするといいんです。


では、もしステインリムーバーを使わずに靴クリームを重ね塗りしたらどうなるでしょう。

靴磨きのたびに靴クリームを重ね塗りすると、革の表面が靴クリームのロウや油で覆われてしまい新たに潤いや栄養を補充してあげられない状態になってしまいます。


潤いや栄養が不足すると、革靴はどんどん痛んでいきます。

靴クリームを塗り重ねてしまわないように、ステインリムーバーを使って汚れと一緒に余分な靴クリームや油を落とす必要がありますね。



ステインリムーバーによってきれいに汚れが落ちていれば、新しく塗り込んでいくクリームもしっかり浸透して皮を美しくしなやかな状態にすることができます。

ちょっとひと手間加えることで仕上がりに雲泥の差が生まれるので、やったことがない人はぜひ試してみてください。

「アニリンクリーム」で栄養補給

革に潤いと栄養を与えながら透明感のある自然な光沢を与えます。

とくに新品の靴には、履く前の最初のメンテナンスとしてアニリンクリームを塗ることをオススメします。


このアニリンクリームは無色なので靴の色を問わず使える優れもの。

アニリンカーフ等の繊細な皮革靴に使用可能なソフトレザー靴用栄養クリームです。

靴磨きの最後に拭きあげると、靴全体が柔らかな光沢に包まれて美しさが増しますよ!

「レザーコンシーラー」を使ってすり傷と色落ちを補色


M.MOWBRAY エム.モゥブレィ レザーコンシーラー 15ml ブラック

革製品のキズ補修・補色に使うのが「レザーコンシーラー」です。

着色力は強いですが、完全に乾かさないとすぐに落ちてしまいます。

乾燥して色が定着するまではステインリムーバーで比較的簡単に拭き取ることもできるので、間違って変なところに塗ってしまってもやり直し可能ってことです。


レザーコンシーラーはヤスリで削り取った部分に色を補いコーティングするもの。

なので、丁寧に補修すればすり傷や色落ちのあった部分に美しく補色することができます。


カラーバリエーションも豊富なので茶色やベージュ系の革靴にも対応できるうえ、バックなど革製品全般に使うことだってできます。

靴の汚れをしっかり落としてからレザーコンシーラーを使いましょう。


本当にヤスリで削る前に確認しておきたい通常のメンテナンス

革靴をヤスリで削って色落ちを直す行為は危険を伴います。

革を削るという禁断の作業に踏み切る前に日常的なメンテナンスで対応できないか十分検証しておきましょう。


日頃から革靴を手入れする習慣が定着すれば、深刻なダメージを受ける前に小規模な修復で対応することもできます。

深刻なダメージが発生しなければ、革靴をヤスリで削る必要なんかありません。


革靴を持っている人が絶対に知っておかなければならない超基本のメンテナンス方法も再確認して、修復後のメンテナンスの参考にしておきましょう。

この基本的なメンテナンスがわからないと、革靴をヤスリで削って修理したところで再び傷だらけになってしまいますよ。


革靴にヤスリをかけて補色・修復する手順

前置きが長くなってしまいましたが、いよいよお待ちかねの革靴をゴシゴシ削って色落ちを直す作業について説明開始です。


基本メンテナンスのブラッシングと除湿の重要性が理解できたら、さっそくヤスリを使った作業に移りましょう。

汚れ落とし

最初にブラシを使って表面に付着したホコリを落とします。

強くこすらず、払うように優しくブラッシングしましょう。

ホコリを落としたら、前回のメンテナンスで塗った靴クリームを落とす作業です。
靴に施したお化粧を落としてすっぴん状態に戻すイメージですね。

モゥブレィ ステインリムーバーをよく振って柔らかい布に数滴染み込ませ、靴をなでるように拭いていきます。

布に汚れが移ってくるので、汚れたら布のきれいな部分を使うようにして、全体の余分なクリームを落とします。

ここでも力を入れすぎないようにしましょう。

汚れを落とした状態がこちら。

この写真ではあまり判りませんが、つま先の部分は左右ともかなり色が落ちています。

紙ヤスリで革靴をゴシゴシ削る

つま先の擦り傷・色落ち、かかとの色落ちを一度に修復するため、傷の深い部分には紙ヤスリをかけていくことにします。

革靴に紙ヤスリをかけるのは大変危険な行為です。

一度失敗すると、取り返しのつかないことになるかもしれません。


しかし、トゥに付いてしまった擦り傷や切り傷を目立たなくするためには、皮の表面を削って周辺部分と高さや質感を揃えていくしかないのです。


紙ヤスリで削る行為は「靴の表面を傷つける行為」なので相当な覚悟を持って臨みましょう。

くれぐれも削りすぎないように、番手の細かい紙ヤスリを使ってゆっくりと時間をかけて根気強く対処することをオススメします。


で、ビビリな私が紙ヤスリを使って削ること1時間。

写真のように問題箇所を削り終えました。
少し白っぽくなっている所が削った部分です。

この段階で、少し気になっていた履き皺も削っておきました。


長年の使用で付いてしまった深い履きシワも、表面を少しだけ削りとり周囲と高さを合わせてやることで目立たなくすることができます。

削り終えたらブラシで削りカスやホコリを掃い、ステインリムーバーで優しく拭いておきましょう。


レザーコンシーラーによる補色作業開始

紙ヤスリで削るという神経質な作業を終えればあと少しです。

今度は色が落ちている部分に色を補っていきます。

これが今回一番やりたかった作業です!!



M.MOWBRAY エム.モゥブレィ レザーコンシーラー 15ml ブラック

買って来ました。

モゥブレィ レザーコンシーラー!!

東急ハンズで1200円くらいでした。


補色作業ではレザーコンシーラーを塗りすぎないように、綿棒で少しずつ革靴に乗せていきましょう。

ちょっとずつ塗りながら傷をまんべんなく補修していく作業はむちゃくちゃ地道です。


布を使って塗りこむこともできますが、特に傷が深い部分には綿棒を使って十分押し込み、周辺と高さをあわせておく必要があります。

重点的に塗りこまないといけない部分が済んだら、柔らかい布を使って補色したい部分にレザーコンシーラーを塗っていきます。

 

色落ち箇所にもレザーコンシーラーを少量とって柔らかい布で塗りこんでいくと、こんな感じになりました。

レザーコンシーラーを上手に扱うにはちょっとしたコツも必要ですが、慣れてくれば美しく補色することができるようになります。

大切な靴を修理するんですから、コツを抑えて納得のいく仕上がりをめざしましょう!

レザーコンシーラーの説明書には、塗ってから10分程度はリムーバーで落とすことが可能と書いてあります。

もし、レザーコンシーラーの扱いに失敗しても10分以内ならステインリムーバーで拭き取ってリカバリーできますね。


なお、確実に定着させるために6時間程度必要と書いてあります。

色を塗りこむのは手早く対応しましょう。
また、せっかく手入れした靴が長い間美しい状態を保てるよう、きっちり6時間は乾燥させてあげましょう!

そして、6時間経過。


アニリンクリームで磨き上げ

補色作業終了から6時間経過。
レザーコンシーラーが乾いたのを確認して最後の仕上げを行います。


アニリンクリームを使って靴の表面全体に養分を補給し、美しい光沢を引き出す作業です。

アニリンクリームを少量布に取り、靴全体に薄く伸ばしていきます。次に仕上げ用の靴ブラシを使って靴全体を丁寧に磨きます。


仕上げ磨きの時にはブラシを手早く動かして表面を摩擦します。

摩擦熱によってクリームの油分が潤滑になり、革靴に浸透しやすくなりますからね。

ブラシをグリグリ押しつけながら磨き上げると革が痛んでしまいますから、優しく丁寧に力を入れすぎないように注意しましょう。


仕上げはストッキングで磨き上げ

靴全体を磨き終えたら、トゥの部分にもう一工夫。

古いストッキングなど細かい繊維でできた布を使ってトゥを磨き上げます。

細かい繊維で磨くことで、美しい光沢をまとったトゥを作ることができます。

ここまで仕上がれば新品同様とまではいきませんが、革靴が美しくよみがえりますよ!


さて、ここで合わせてチェック!!

靴のかかと(ヒール)が擦り減っている人って意外と多いんですが、皆さんの靴は大丈夫ですか??

靴には細かいお手入れが必要

靴は足元を彩る最大のおしゃれ要素です。

良い靴を履き、細かく手入れして、いつまでも履き続けることができれば素敵ですよね。


靴は使い捨てじゃないのでちょっと良い靴を買って修理しながら履いたほうがコスパが良かったりします。


毎日とは言いませんが週に1回、いや2週間に1回でもいいので靴をキレイに磨いてあげましょう。

そして、深く傷ついた靴をあっさりと捨てるのではなく、どうすればまだ履けるかを考えてみてください。

ものすごく汚れてしまっても、革靴は水洗いすることもできます。

高価な靴を履いていることが重要ではなく、いい靴を大切に履き続けていることが重要です。


今回紹介した方法で革靴を修復できれば、しばらく履き続けることができますね。

しかし、大切に手入れした靴もいつかはボロボロになってしまうかもしれません。

そんな時にはメンテナンス性に優れた丈夫な靴を新調するのもいいでしょう。

何年たっても大切にしたいと思える上質な靴に出会うことで、いままで以上に靴のメンテナンスに気を使えるようになります。

履き心地がよく落ち着いたデザインの正統派シューズを何年も大切に使っている人は、足元に品格が漂います。


良いものを買い、いつまでも大切に使うことが大事。


大切な靴をいつまでも美しく保つために、堅牢で上質な靴を買い求めることと日々のこまめな手入れをおすすめします。



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この記事を書いた人

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