泊まらなくても楽しむ方法に目を向けると、体験の幅は大きく広がります。
「日帰り」や「デーユース」といった言葉は、これから少しずつ身近になってくるのかもしれません。
今回は深尾先生による都会の温泉紀行。
新しい楽しみ方をシェアできれば幸いです。
来訪
若者の活気あふれる下北沢より一駅離れた住宅地・世田谷代田に新たに温泉旅館ができました。
地下化した小田急線の線路があった土地の有効活用です。
公式HPを見たところ、日帰り利用がとてもリーズナブルだったこともあり、この度利用させていただくことにしました。
運営は由縁新宿同様UDSによるものです。
世田谷代田駅の改札を抜けてしばらく歩くと、樹々に囲まれた2階建の温泉宿が世田谷の住宅街にあらわれます。
周辺には茶屋やスパなどいくつかの[離れ]が点在しています。
地下化した小田急線の跡地には、このようなのどかな施設群がポツポツと駅と駅の間に立ち並んでいるのです。
チェックイン
暖簾をくぐり、陽の差し込む回廊を抜けてエントランスにたどりつます。
新宿の由縁と同じくUDSのデザインチームによる、完成度の高いデザインです。
一部の建具や蹲は由緒あるお屋敷から移設されたものだそうです。
今回は約20㎡ほどのデラックスルームをデイユースで使わせていただきました。
シャワールームも完備し、宿泊しなくても、箱根や道後の温泉郷のプライベートルームのように寛ぐことができます。
サインなどのデザインは新宿同様artlessによるものです。
渋谷のKOEなどホテルのアートディレクションを幅広く手がけています。
箱根の湯を世田谷で
さて、メインの温浴施設に行きます。
待合室には立派な左官の壁が。
そして新宿同様、湯あがりのアイスが用意されています。
更衣室、シャワー、湯船など、どれをとっても都内シティホテルのスパに匹敵するレベルの高さと余裕あるスペースです。
露天風呂の湯は箱根から直送されたものとのこと。
また、男湯女湯ゾーンそれぞれプロポーションの異なる空間構成をとっています。
サウナもそれぞれドライ、ミストの違いがあります。(撮影は施設の許可をとっています)
ティーサロンでひと息
湯上がりはエントランスロビーに隣接したカフェバーへ。
日本茶を頼むと丁寧なサーブをしてくれます。
ちょうど知り合いが訪ねて来たので、テラス席へ出てほうじ茶ラテなどを一緒にいただきました。
ショールーム
運営マネージャーに特別に他タイプの部屋を案内してもらいました。
まずは2室構成のコーナールーム。
二人で過ごすには十分な広さです。
続いては中庭に向けたワイドな掃き出し窓と縁側で構成されたデラックスルーム。
木製の露天風呂も設置されています。その他メゾネットのお部屋などもありました。
[離れ]の民泊タイプのレジデンスも見学させてもらいました。
戸建ての平家で50㎡もあり、立派な住居サイズです。
バルミューダなどの電化製品や食器も完備されており、快適な長期滞在が可能です。もちろんホテル棟の温浴施設も使えます。
ダイニング・タイム
予約していた夕食の時間です。
魚中心の会席を頼みました。
次々と運ばれる本格的な会席を楽しむうちに、徐々に日も暮れていきます。
お暇の時間
食事後部屋に戻り、このまま泊まっていきたいところでしたが。
帰らなければならないのが日帰りのつらいところです。
最後の余韻を楽しみながらお部屋を後にします。
しばらくそぞろ歩きしながら、もと線路のあった土地を新宿方面まで遡っていきます。
都内近郊に住んでいるのであれば、こういったデイユースもリフレッシュの一環として利用してみてはいかがでしょうか。